自転車でゆるキャン in 九州 その3
目次
自転車でゆるキャン、4日目
この日も6時前に起床。当然、朝にひとっ風呂。
あ゛~ごくらくごくらく、極楽の一言につきる~
朝食は、おいしいお米を卵かけごはんにして楽しんでしまう。
燃料を補給したところで、本日の予定
事前に用意していた選択肢
体調や天候次第でどちらかのルートを計画していて、ルートまでバッチリつくってきてある。
まさに、臆病な自分には安心な準備であった。
いつも心にゆとりを。
当日は天気はまあよさげ、体調問題なし。
宮崎方面にトライしてみるか。
ちなみに、宮崎側へのルートは逃げ道がないので、ちょっとだけ勇気を使う。
4日目のみちゆき
南阿蘇から高千穂へ、そして海までだらだらとアップダウンで下っていくルート。
ゴールは御鉾ヶ浦公園キャンプ場。ここは電話で予約さえすれば、無料でテント泊ができます。
移動距離、120キロほど。
キャンプ道具一式で120キロは未知の領域。下り基調なので問題なくいけそうではある。
高千穂峡へ
カロリー消費区間といってもいいでしょう。登ったり下ったり、山間を走って行きます。抜けの景色もすくなく、延々とペダルをまわす。
没頭した無我状態で不思議とリラックスしつつ心地よい負荷がかかり続けるサイクリング。
高千穂峡ゲット
手前が激坂つづら折りになっているので、一瞬躊躇いましたが、やっつけました。
補給は肉巻きおにぎり!
高千穂温泉で回復
もはや温泉巡りの旅でもありますね。
ちょっと離れたところにある高千穂温泉。観光ではなく地元に根付いている温泉っぽいかな。
露天の寝湯でゆらゆらしながら、うとうと。
すぐにのぼせやすいのでぬるめのお湯は本当にうれしい。
小一時間、温泉休憩してしまった。はらぺこ。もうお昼。
うーむ、どうしよう。まだ30キロちょっと。もうお昼。距離が足りない...
コンビニでかるく補給して移動しよう。ちょっと焦りがではじめて、再スタート。
海にむけてひたすらペダルを回す
得意分野。休憩なしで延々とペダルをまわすが好きで好きでしょうがない。
コンビニで行動食のためのブラックサンダーを買い足して、水もMAXまで補充。ノンストップで50キロはいける!
何本も峡谷をこえる橋を越えます。
酷道388号
おにぎりマークの国道ですが、自転車にとっては酷道こそが一番はしりやすいし、楽しめる道だったりします。
車の量もすくなくて、空気もきれいで、景色も楽しめたりするし、静かで自然も満喫できます。
ダッシュで駆け抜けて写真とりませんでしたが、良い道でした。
17時、御鉾ヶ浦公園キャンプ場、到着
目標時間どおりの到着。前日は火口で、本日は太平洋。
でも、やっぱり山が好き!
デイキャンプ組が BBQ でノリノリになっている。
撤収を待ってテントを張りたいところだけど、腹も減ったしなあ。
ぼーっと様子をうかがっていると、大量の蚊が。まあ、わかる。
とりあえず、汗だくなので炊事場で顔を洗う。ユウレイグモが水場で狩りをしているらしくたくさん棲息中。なんかピクミンでみたことあるな。
トイレにはアシダカ軍曹! 軍曹、動きはやっ。
デイキャンプ組はまだまだいそうなので、テントを仮設営して、飯を食べに行く。
お寿司!
「ひむか本サバ」が食べられた。うれしい! 鯖を生でたべる緊張感! 旨し!
シマアジとかアジとか青魚をやたらと食べまくる。
塩分不足か、がっつり醤油付けて食うのが旨い。ちょっと台無しにしてる感じがあるけど...
たくさん食べようと思っていた割には10皿も食べられず。さすがに胃腸が弱ってきている感じがする。
大将がとてもよくしてくれて、デザートのアイスをいただいてしまいました。
九州ライドはなんか出会う人出会う人みんなイイとばっかりだなあ。
帰りにイオンで、朝食のカップラとパン、夜食のお菓子を買ってかえる。
日が落ちてデイキャンプ組が撤収している。バイカーさんと強そうなソロキャンパーさんが3,4組。
デイキャンプ組がいた海が見える場所にテントを張り直して、今日は終わり。
深夜、そして早朝までの激闘
虫除けシートで身体を拭いた。テントにも蚊はいない、はず、だった。
だが、実際にはテントの中に蚊が無限湧きする。そんなはずはないのだけど、そうだと思える状況だった。
ゲームだったら、あー、これ無限湧きだわ、弾の無駄遣いだから、無視しよう、ってなるやつです。
あのやばい、モスキート音が10分おきぐらいに聞こえて、眠るどころではない。すげーぶぐぶぐ太った蚊を一体、何匹やっつけたのだろう。
ちぎっては潰し、ちぎっては潰し、自分の手が血で真っ赤に染まっていることに気づいたときには午前三時。
もう、この戦い勝ち目はない。間断なく戦いをしいてこちらの疲労を誘う戦法である。なんと老獪な...
記憶が途絶。
自転車でゆるキャン in 九州 その2
前回までの自転車でゆるキャン in 九州
目次
自転車でゆるキャン、3日目
やまなみキャンプ村でゆるキャンの朝
6時前に起床。
蝉も鳴かないし、鳥たちの鳴き声も少ない。静かな朝。
天気も良好。
朝飯はカップラとパン。
ちょっとカロリー足りないかなと思いましたが、3日目の行程ならいろいろと寄り道スイーツできそうだったので腹八分目に。
6時30分からは radiko でNHKラジオ体操。誰もいないので、大声で歌まで歌っちゃう。
「新しい朝がきた~♪」
ノリノリである。
早めにテントを解体して、夜露出ぬれたテントをできるだけ乾かす。誰もキャンパーがないので、テーブルに広げて日干し。
乾燥してる方が、次使うとき不快感が少ないのと、テントの傷みも少なくて済む。雨だったらどうしようもないんですけどね。
焚き火の後始末、コッヘル洗ったり、洗濯物の取り込み(結局半乾き)、自転車に積載で、2時間以上かかる。テントもほぼ乾き巻いた。
撤収とかいろいろ時間かかるんですよね。
8時過ぎに出発。
3日目のみちゆき
ゴールはにっこにこで予約した温泉宿。
温泉に入って飯食って贅沢する日!!
やまなみハイウェイ(長者原から峠越え)
朝一からのヒルクライム!
足がまわらない。前日の疲れが残ってる。空気と景色でつらみは感じない不思議。
そして、今回の旅での最高標高ゲット!
これまでは六甲山山頂が最高標高だったので自己記録も更新。
展望台からまわりを見渡しても煙っててようみえん。
さて、山頂ゲットしたので、あとはダウンヒル。
ウィンドブレーカーを装備して、一気に駆け下ります。
絶景だらけです。
ミルクロードにはいるあたりで景色がかわります。
むにゅむにゅしたミステリーエリア。
大観峰
たまにアップダウンはあるけどほぼ平坦なな美しい道をうきうきでペダル回して到着。
観光客がおおくて風情がないうえに、雲がかかって
「何も見えねぇ」
といって終了。大量の羽虫がとんでいて難儀する。
補給にソフトクリームをたべる。今回はマンゴー!
ミルクロードでマンゴーはやっぱやめといたほうがよかったか...
阿蘇山火口へ
自転車は無料!
料金所でおっちゃんが、励ましてくれます。
最後の1キロが激坂になっています。
斜度 16 %。もうダメかと思いましたが、やったった。
火口付近は有毒な火山ガスがでとるんじゃから、喘息とかの人はだめじゃぞというアナウンスが流れいてちょっと緊迫感あります。
緊急避難所とかありましたが、個人的には死都日本を思い出しながら、ムダなあがきだと思い、覚悟をきめて火口をみてまわりました。
ダイブしたら、なにもかも終わらせることができるんだなあ。とかぼんやり思う。ほっこり。
噴石被害もすごいもんじゃね。パワーをメテオに!
全力で宿へ、温泉!
ゆるい自転車旅はメリハリつけてちょっと贅沢なところも使う楽しみ。
チェックインして温泉は行って、うまい飯くって、ふかふかの布団でねれる!
あとは延々とした下り。そして下りもまた絶景
途中、海外の方が前後にパニアバッグ装備のフル装備でのぼってきていた、両手サムアップですれ違いざまの挨拶をしました。
いえい! 勇気がわくが、この時間から上りはじめたら、日没になるんじゃとちょっと気がかり。
温泉宿
油断していたら、道の駅から宿までが地獄の上り坂。
足の力が残っていないのと、斜度もきつい...
最後には汗だくで宿に到着。息も絶え絶え。でも温泉!! うまい飯!! ふかふかお布団!!
なぜだろうか、自転車乗りにみんなやさしい。
自転車は夜露をしのげる入り口近くの屋根ののあるときに置かせてもらえた。
チェックインでもすごく親切に対応していただいた。こっちは汗だくになっているので、ご迷惑になりそうなので恐縮していたのだけど。
チェックイン手続きの最中も自転車の世間話。話を合わせてくれているという感じじゃなくて、本当に感心しているようなので、そこにもなんか恐縮してしまう。世の中にはガチ勢という人々がいるのだよ...
「自転車乗りはどうかしてるんですよ、つらいだけなんですよね、てへ」といいながら、たいしたことなないアピールをしながら内心、ちょっと得意げになるやつでもあるんですがね。
ああ、自分って小さい人間だなっておもって、あとで憂鬱になります。
お部屋に案内されたらまずは、温泉といきたいところであるが、洗濯をしておかないと。
これも自転車旅のルーティンワーク。着替えも最小限しかもってきてません。汗まみの下着、ジャージを浴室でじゃぶじゃぶ洗ってほしまくる。
そしてねんがんの温泉!!
15時ちょいすぎチェックインなので、まだ誰もいない温泉でゆーっくり。
良い感じにふやけてきたところであがって、なんと贅沢にマッサージ機で全身をほぐす。
信じられないほどの豪遊である。
はらぺこで死にそうになっているときに夜飯。
会席料理システム。最後にご飯がでてくるやつ! はらぺこすぎて、ご飯をすべて食べてしまった。
会席料理システムでご飯をたべきったのは初めてかもしれない。
馬刺し、和牛もうまうまだったのですが、一番印象に残ったのはお米。
「森のくまさん」というお米がなんかやたらとうまくて感動しました。
漬物と赤だしとお米だけで完食余裕。
満腹。
ロングライドで2000キロカロリーも消費しているので、まあこんぐらいたべてもいいんだ。
ハンガーノック対策ですねっ
そして、また風呂にはいって、温まったところで爆睡。
ふかふか、お布団はすごい。熟睡。
自転車でゆるキャン in 九州 その1
5泊6日での「ゆるい九州をサイクリング、時々ヒルクライム」に出かける数ヶ月まえから、作業のバックグランドに
ゆるキャン
と
ろんぐらいだぁす!
を Amazon プライムビデオでエンドレス再生していたせいで、すっかりセリフまで独り言のようにつぶやけるようになった kowasuhito です。
キャンプしたり温泉宿とまったりしながら自転車で旅をして良かったポイントを記録しておきますね。
目次
1日目
六甲アイランドから大分港への移動日
キャリア付きのアドベンチャーロードなので、輪行しやすいと噂のフェリーでの移動。
輪行袋に入れずに、車両として搭載することもできますが、たしか+2000円ぐらいかかります。
そして、下船するときに気づきましたが、二輪車は下船が最後っぽいので、ちょっと待たされることになるよう。
輪行バッグにいれても自転車は客室に持ち込むには大きすぎるので、別の荷物保管場所に案内されます。乗船するときに係員に声をかけると案内してくれました。
出港後は立ち入り禁止の場所とのことでしたので、必要な手荷物は輪行袋につめるときにピックアップしておくとよい。
酔い止めのクスリをフレームバッグにいれていたので保管する前に取り出しました。
穏やかな瀬戸内海(帰りは太平洋の海でゆらゆら揺らた)経由でとても快適な旅。
2日目
下船後、自転車を組み立ててスタートです。
いきなり過酷な雨天。降ったりやんだりが続きました。
GORE-TEX のレインウェアですが、正直、びしょびしょになります。
長年の経験から対策しようがないと思います。どうせぬれる。
肌に直接触れる下着類をさらさらのナイロンぽいやつだと不快感が軽減されるかなあぐらい。
湯平温泉
別府、湯布院を外してあえての湯平。
観光客が少なく落ち着いた雰囲気。ザ・観光という雰囲気が苦手な人にはベストの温泉場でしょう。
しかも温泉は200円で入れます。
温泉にはいっていた地元のおっちゃんと世間話。
大分港から20-30キロぐらいの距離走っただけなのに、感心してくれはって、はえーそれは大変でしょうといってくれる。
がんばるんじゃぞ、と励ましてもくれる。
なんか、ありがたい。
湯平温泉の石畳は斜度もきついし、雨がふっているとトラクションもかからないので押して登ることになります。
でも雨でもまたいいなと思える温泉場でした。
湯平で昼飯もとろうとおもったんですが、残念ながら早く着きすぎてどこもやっていませんでした。
行動食でがまん。はらぺこ。
九重“夢”大吊橋
ヒルクライムしてたどり着いた吊り橋。
観光客が多すぎる、という印象しか残っていません。タイミング悪かっただけかな...
雨だったので「なんとも見えねぇ」とリンちゃん風にいって終わりかとおもっていたのでが、ちょうど雲がきれて景色がみえたのは良かった。
観光客多すぎて、なんの情緒もなかったですが。あえていえば、中国語ばっかで変な異国情緒みたいなものはあったかも。
疲労やら空腹やら残念感がからみあってめっちゃぴりぴりしてました。
せっかくの旅なのに、余裕がないのはダメですね。反省。
「農家レストラン べべんこ」でひるめし!!
夢のようだった、大吊橋からちょっと逆走する形でやまなみハイウェイに戻る。
空腹と雨ライドの不快感と疲労もあってか、久しぶりに印象深いごはん。
はらぺこ。うまい。
ハンガーノック対策ですねっ
入店時に「お好きな席へどうぞ、ただし、絶対に席の移動はできません、絶対にだ!」と言われます。
あまりそういう体験がないので、きっと何かトラブルがあったんんだろうか……
フリだとしても自分には着席後席を変える勇気はありませんでした。ちょっと面白い。
やまなみキャンプ村でゆるキャン
途中でキャンプ飯の材料を購入してキャンプ場に到着。
受付をすませる。
雨のせいで、なんと、全サイトで、キャンプは自分だけ。
ほぼ完全な貸し切り状態!
雨ついてないと思っていたけど、いいこともある。
テント設営してみる
日は落ちて。焚き火のスタンバイもばっちり。
ランドリーもついている、ログステイ可能な高級キャンプ場。
下着とジャージを洗濯。洗濯紐で干す。
乾くかな...
夜飯はコッヘル1つでできる、カレーうどんと残った汁のカレー雑炊。
お手軽でうまし!!
そして焚き火。
蚊にさされることもなく、ちょうど良い気温。
貸し切り。
夜も更けると車通りもなくなり、人工の灯りもなんもなくなる。
きっと世界は滅んだんだ。(安心)
自転車旅にでるのに、できるだけ勇気を使わない方法
5泊6日での「ゆるい九州をサイクリング、時々ヒルクライム」をしてきました。
自転車で旅にでる勇気なんてもってねーし、と思っていた自分が、できるだけ勇気を使わずに自転車旅に行ってきたレシピを残しておきます。
目次
自転車旅での勇気
「自転車で旅にでる勇気」とはどういうことでしょうか? 勇気?
勇気(ゆうき、希: ἀνδρεία, 羅: fortia, 英: courage)とは、普通の人が、恐怖、不安、躊躇、あるいは恥ずかしいなどと感じる事を恐れずに(自分の信念を貫き)向かっていく積極的で強い心意気のこと。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
自転車旅にでかけるのに勇気を出すなんていうのはつらい。
逆に考えるんだ!
恐怖、不安、躊躇を小さくして、勇気を出さずに自転車旅にでたいのです。
自転車旅での不安
自転車で旅にでたことがない、ということが恐怖や不安ではありますがそれを深掘りしていきます。
自分が不安にも思っていることを書き出していきます。
- はじめてのコースでどれだけの距離をどれだけの時間で走破できるか想像がつなかない
- 自転車の故障
- 身体のケガ
- 方向音痴なので迷子になって目的にたどりつけない
- 旅先でのトイレ問題
自転車旅といったときに不安を感じる部分は人それぞれです。
不安を小さくするためにはどうすればよいのかを検討し、具体的な対策をすることで、勇気を使わずに自転車旅にでることができるはず。
はじめてのコースでどれだけの距離をどれだけの時間で走破できるか想像がつなかない
経験したことがないことに対して、どんなに時間をかけて正確に見積もりを立てようとしてもムダです。
不安だからといって、机上の見積もりに時間をかけること自体もムダです。実際に、やってみてどのぐらいかかるかが一番イイ。
実際に見積もってみた
では、具体的にどうしたのか。
平坦は普段から走っているのでわかりやすい。平均時速と距離毎の休憩時間を決めてしまえば、機械的に計算できる。
問題は信頼性の高い登り区間の見積もりを出すこと。
- ルートラボで行きたい箇所経由で自由にルートを作成
獲得標高と平均斜度を確認する
- 獲得標高と平均斜度を確認する
- 自走していける範囲に「計測用ルート」を作成
獲得標高は気にしなくてイイ。とりあえず、斜度が良い感じになっていれば。 - 自転車旅で想定しているフル装備で、そのコースにいって登りの時間計測する。
獲得標高は気にしなくてイイ。とりあえず、斜度が良い感じになっていれば。
※キャンプ道具一式、水、食材を合わせると荷物の重量だけで軽く10キロオーバーになる。 - 計測用のルートの獲得標高と、自転車旅の獲得標高を比較して、ざっくり見積もりを出す。
計測用ルートの獲得票高が500mで1時間かかったなら、獲得標高が2000mなら4時間、とか。
実際の獲得標高と計測用の獲得標高はできるだけ近い方がよいです。100mの獲得標高の時間を30倍して獲得標高3000mの目安にするのはブレ幅が多すぎてアテになりません。 - 自分なりの安全マージンをみる
延々と登り続ければ疲労するので速度は落ちるので平均速度を下げてみる。一定距離毎、あるいは一定獲得標高毎に10分休憩とか休憩時間のマージンもとる。 - 見積もり結果を確認して、時間的に無理がなさそうなら、そのルート採用する。無理がありそう、もっと余裕を持ちたいのであれば、再度ルート修正して必要があれば再計測を繰り返す。
【例】大分港から長者原までの見積もり
総距離: 75km
だいたいの登り区間距離: 35 km
獲得標高: 2000m
事前に計測した結果: 獲得票高 500m で約1時間
マージン: 獲得標高 1000mごとに休憩15分
なので
登り区間 35km に要する時間は 4時間30分
残りの平坦と下り区間(40km)を 平均 20km で走ると2時間
ルートに街中が多ければ信号待ちが増えるので平均時速はさらに下げて見積もる必要がある。
あわせて、6時間30分ぐらい。
お昼休憩も1時間いれれば、7時間30分ぐらいっていう見積もり。
※実走した結果をみても、この見積もり方はまあまあ使えると。マージンを多めにとった計画をたてて、計画に対して1時間以上前倒しで到着できました。
ヒルクライムも心理的な余裕があるので、自分のペースで着実に登ることができました。
自転車の故障
自転車の故障は当然おこると思っておく必要がある。
最悪のケースを想定しておくこと。つまり自走不可能になった状態です。
自走不可能になったときどうするか?
こんなもの、潔く自転車旅は終了だと腹をくくるのが良い。なんとか修理したとしても、不安を抱えたまま不慣れな旅をしても楽しくない。
自分の場合は、自走できなくなったらau損保の「自転車ロードサービス」を使うつもりでいる。
ちなみに、自転車保険はこれまで3社ほどつかってきたが、「自転車ロードサービス」があるので、 au損保を使っている。
多少の価格差、補償内容の違いはあるが「自転車ロードサービス」は遠征時に心強い。
どこまで自転車を修理できるようにするか?
メカ音痴な自分は、修理はパンクまでと決めている。実際にパンクした時のチューブ交換ですらかなり難儀している。
完走できる確率をあげたい、という時にパンク修理できるかどうかは大きく変わるので、パンク修理ぐらいはできるようにしているだけ。
自転車に乗っているならパンク修理ぐらいできろ!
みたいなことは、自転車旅に勇気を持ち込んでしまう。
それすらできなくても自転車旅にでてもいいじゃない。
そう、「自転車ロードサービス」がぼくたちにはあるんだ!
という気持ちでいいのかな、と思う。
実際に修理する状況が発生すると心理的プレッシャーもかかる。宿をとっていればチェックインの時間が気になるし、夜間走行の負荷、山岳コースが入っていればなおさら心身の負荷は高まる。
修理に自信がなければ、故障が再発するんじゃないかと思うことで、思い切りペダルを踏むのも難しくなる。
そして、気もそぞろになって自転車にのっていると事故ますんで。
故障率を減らすというアプローチ
まず、遠征する前にショップで自転車を点検してもらう。壊れそうな部分があったら先にメンテしておく、というのが1つ。
買ったショップが遠い、いつも混雑していて見てもらうタイミングがない。
そんなときは自転車業界のコンビニこと、サイクルベースあさひで一式点検をしてもらうのもアリかもしれません。
ショップのメンテ待ちが大渋滞しているときに、何回か利用しました。
「何も問題ありませんでした」だとしても、プロによる点検があることで「安心感」を買うことはできます。
これを高いと思うか安いと思うかは自分で判断してください。
故障率を減らすためのもう1つの方法。
壊れる箇所、つまり部品を減らせば故障も減るし、一つ一つの部品が頑丈であれば故障が減る。
部品を減らすといってあまりないですが、例えば、前のギアが2枚あるものを1枚にするとかすれば、前側のシフトに関するトラブルはなくなります。これも故障率を減らすというアプローチになると思います。
部品を頑丈にするという意味では、タイヤをパンクしにくいものにすれば、平均速度は落ちてもパンクに対して不安感は小さくすることができます。
多少、コケたりぶつけたりしてもびくともしないクロモリフレームの自転車を選ぶというのも良いと思います。
身体のケガ
ケガの元となる無茶なことはしない、というのは前提にしても、どうにもならないときはある。
特にロングライドしていれば膝、腰を痛めてしまうこともある。落車するかもしれません。
そうなったら最寄り駅を目指して、おとなしく退却する。これも頭の中で事前にイメージしておくと良いです。
遠征先でアドレナリンがでている状態ではどうしても無理しがちだし、完走したいという欲求は判断を誤らせます。遠征先で無理をして身動きがとれなくなるのは最悪の状況です。
完走できなくても輪行して帰っている自分をイメージして褒めてあげてください。
湿布薬、鎮痛消炎剤を携帯してもいいけど、痛みが出てきたら駅寄りのルート、ヒルクライムを避けるなど、退路を常に気にしながら移動するというのも勇気を使わないゆるい自転車旅だと思う。
方向音痴なので迷子になって目的にたどりつけない
大丈夫、われわれには GPS がある。
GPS が使えない状況がくれば、ゲームオーバー、そういうルールにしよう。
GPS機器を2つ以上用意
スマホがあればまず、大丈夫だろう。いやいや、スマホ一つでは勇気が必要になってしまいます。だってスマホは壊れやすい。
そこでGPS付きサイクルコンピューター。
サイクルコンピューターも各社からいろいろでているが、自分が今使っているのは Edge520J。
ちょっといじると地図も表示できるので、通信環境がない状態でもルートを探せるという強みもある。
スマホのバッテリーを長持ちさせる
各メーカーいろいろだとは思うが、スマホに設定があると思う。
とりあえず、使わないときはフライトモードにしておくとか、そういうことで相当もつ。
モバイル通信がなくても表示できるオフラインマップもいれておくとよい。
GPSだけオンにすることで、余計な電池消費をせずに現在地を把握することができる。
バッテリー
スマホもサイクルコンピューターも電源がきれれば、ただの飾り。
モバイルバッテリーは持っていこう。
できるだけ勇気を使わないためには 10000mAh のを1つよりも、5000mAh のモバイルバッテリーを2つ持っていくという選択がある。
モバイルバッテリーだって壊れる。
そして充電用のケーブルも2本以上ね。
旅先でのトイレ問題
いまだに、こればっかりは勇気を使っていますが、少しでも勇気を使わないように。
ストレス、緊張ですぐお腹くだしちゃう人間には、自転車旅にかぎらず旅先はつねに勇気を必要とする冒険である。
まずは、トイレ視点で用心深くコンビニ、道の駅、観光スポットを確認しておくこと。
何もない道を走っているときは、リラックスするしかない。それに自転車は他の乗り物と違って自由に外にでることができる。いざとなればどうとでもなる。
そう、これも頭のなかでイメージしておくと、いざというとき勇気を使う量は減ると思います(たぶん)。
あと、自然環境にご配慮を。登山のトイレマナーを参考にどうぞ。
何度もフル装備で山にでかけ、ロングライドをしながらスマホのバッテリー消費量を計測して、輪行を目的に電車に乗り、パンク修理の練習をして、ルートラボでメインルートを作成後、トラブル発生を想定してバックアップルートを作ることで、
あまり勇気を使わずに「ゆるい九州をサイクリング、時々ヒルクライム」に出発することができました。
自分が気づけていない自転車旅の困難があるに違いない、という不安はずっと残り続けていましたが、体験したことがないことへの不安というのは体験してみるしかないわけで、効率の良い勇気の使いどころはここだろうな、と。
断酒すると人はどうなるのか実験してみた
憂鬱症なんて症状はたぶん、定義されていないと思う。定義に当てはまるか当てはまらないかを気にしているとなんもできなくなる。当てはまる部分と当てはまらない部分を取り出してその差分から何らかの傾向を見出して一般化しなくてはならない、という気がする。断酒の実験レポートを書くにあたって、本題に関係ないところはテキトーな用語を使って自分自身の注目をそらしておく。
断酒をはじめるまで
慢性的な憂鬱症と何年も付き合い、こういうもんだろう、と諦めている。かかりつけのドクターには、受診するごとにお酒をやめてみよう、となんども提案されてきた。「やってみようとは思うんですがねえ……」とか「最初は少しずつでもいいんですかね......」などとはぐらかしていた。去人たちを作らなければならないというプレッシャーや、何かを作らなければならないという思い込み、焦燥感から逃避するための手段が酒になっていて、その代替となる方法なんかないだろうと、判断を留保し続けていた。
そんなことが続き、症状も一向に改善しないのでドクターもしびれを切らしたらしく、アルコール依存の専門クリックを紹介されることになった。
自分にとっても慢性化した憂鬱症は変化も見られないし、本当に死ぬまでこれが続くように思えていた。それはそれで退屈だろうとなんとく想像はできた。臨終の際で楽しくなかったと思うぐらいなら、いっちょ実験がてら酒をやめてみないか、と自分に相談して断酒をはじめた。
断酒メソッド
これまで、一年のうち360日はなんらか酒を飲んでいたのではないだろうかと思う。量としてはだいたい純アルコール量で 50 - 60g / day 程度だろうか。一般的に適正飲酒とよばれる目安が純アルコール量で 20g / day といわれているのでまあ多い。ただ、速攻で身体がぶっ壊れるほどでもなかった。連続飲酒もしていない。基本的にお酒を飲むのは夜だけにしていた。
さて、この状態からどうやって断酒しようか、と考えた。
一般的には家にある酒をすべて流しに捨てるところから始めよう、などというやり方があるようだ。だがそんなことはしない。絶対にしない。しこたま買い込んであって、しかも(自分にとって)なかなかのお酒たちであるからして、そんなことをしたらお酒を造っている人にも申し訳ない気持ちになって死にたくなるに決まっている。
そこで、酒はいつでも飲めるという状況はそのままにすることでストレスをためすぎないようにし、いつでも飲めるんだし、少しずつゆる~くゆる~くお酒の量を減らしていく、という方法をとった。この方法は禁煙するときにも使ったメソッドなので、自分の中では信頼できる方法だった。
さらにストレッサーになっている「去人たちの作業」について考えた。「去人たちの作業」はじわじわと効いてくるタイプのプレッシャーで、いざ作業しようにも何も浮かばない、手が動かせない、そこでお酒を飲んで逃避してはなにもアウトプットなく寝るようなことを繰り返していた。じゃあ、簡単だ。「去人たちの作業を一切やらなくてよい」という約束事を決めた。プレッシャーから逃れたい一心で酒を飲むのなら、まずは原因を取り除く必要がある。ただプレッシャーをかけているのは自分自身であり「やらなくていい」というルールを作ったからといってプレッシャーがゼロになるわけではないことは分かっている。このへんは理性の作業だと考え自分なりの合理化を自分自身に押しつけた。飲酒したところで作業はできないし、飲酒したからといって何かよいアプトプットができるわけでもない。もう数年にわたってそんな状態なのだから、ここで数ヶ月の中断があったとしても断酒実験とそのあとの創作への影響を試す方がいいではないか、という自問自答をひたすらやる。
あとは自分の決めたルールのなかで節酒、断酒に向けて計画を実行する。
断酒を開始してみると、早々に離脱症状(酒がのみたい、酒がのみたいとおもい煩悶する状態、それにともない集中できない、イライラするなど)が出てくるだろうことは想像通りで、これに関しては運動してくたくたになる、クスリを飲んでさっさと寝る、という対処が有効だった。自然と一日、8,9時間寝ることになり二日酔いにも悩まされなくなるので、離脱症状のしんどさと比べても遜色ない効果ががあった。それでも苦しい時はある。それには追加の代償行為で気を紛らわすことにした。ゲームをする、新しいガジェットを物色して買う、マンガ・小説を読む、こんなところか。能動的なアクションがよく、動画をみるというような受動的なものはよくない。むしろ、手持ち無沙汰でお酒をのみたくなる。
そんな試行錯誤で、最初の2,3日ぐらいにお酒の量を減らしてあとは、ぴったりと断酒できている。
断酒するまえと、断酒後一ヶ月
断酒以前
- 社会生活が破綻しない程度に無気力的憂鬱。何をやるのも面倒
- 自分自身に対する無力感、無能感で胸が締め付けられる
- 漠然とした不安感
- 何をしても申し訳ない気持ちで一杯。生きていてすみません状態
- 去人たちの事を考えると胸が苦しくなる
- 集中力がもたない。本を読んでいても頭にはいってこない
- 何かをしなければならないというぼんやりとした焦燥感が断続的に続く
- お酒を飲まないなんて人生の九割がた損していると確信
- お酒おいしい、肴が最高。ハッピー!
- お酒の席で張り切りすぎて翌日、強烈な自己嫌悪に陥る
- amazarashi の曲を聴くと安心できる
断酒以後
- 自分はつまらない人間だと思う。でもそれは事実だし、反省することもない。つまらない人間、ただ、それだけ。迷惑もかからない。
- 社会生活が破綻しない程度に無気力だけど、つらくない。ただ、どうでも良いし、自分ってそういうもんだと諦められるし悩まない
- 自分自身に対する無力感、無能感はあるが、つらくない。ただ、どうでも良いし、自分ってそういうもんだと諦められるし悩まない
- 何をしても申し訳ない気持ちは続くが、嫌な顔もせずに対応してもらえてありがとうという気持ちに切り替わってきた
- 何かをしたいなと思うけど、思いつかない。でも焦るわけではない
- ハッピーだと思うことがなくなった。いつか死ぬということを考えてもつらくない。生きていることに価値はないけどつらくない
- 去人たちの事を考えるとつらくなるが、それは去人たちに自分が期待してないからだというシンプルな話として理解できる
- 内省することが減ったことにより人と話してみたいと感じることが増えた。自分が何を考えているのか、対話のなかで見出したい。コミュニケーションを成功させたり失敗させたりしたい
- 相変わらず、本を読んでいても頭にはいってこない。ただ、ちょっとマシになった
- お酒の席に一切参加しないので変な風にみられる
- 物忘れが減った気がする
- amazarashi の曲を聴くとノリノリで絶唱しまくる
一言で言おう。ネガティブなダメ人間が、ポジティブなダメ人間になった
簡単だ。ダメ人間は変わらない。でも陽気になった。陰気なダメ人間より陽気なダメ人間なほうがいい。
ただ、周囲への迷惑は確実に増えたのだろうと思う。借りを作ってばかりいるという負い目は昔は耐えられなかったが今なら、お互い様、イエイ! といって、10分後にはけろっとしている。
もう一度いっておきますが、離脱症状は抜けたと思っているし、幻覚もみえていませんからほんとうに。何も見えてない。
アルコールと去人たち
ツラトゥストラはかく語りだったろうか、酒を飲んで数日で書き上げたとか。
去人たちも展開した精神で一気に出力できないかなとか、試していたらこのざまである。
いま酩酊もせず素面で何かをかいても作文程度のなにかでしかなく、これまでの去人たちになっていった暗部やぞくぞくするような得たいのしれないものはでてこないだろう。誰かの書き方をまねて自分にもできるかもとか、まあ、考えが甘すぎ。
自分なりに無意識に接近する方法をみつけて酩酊と似たようなアウトプットっていうのは可能かもしれないけれど、強い葛藤がないなかで、アニマは登場することはないんだと思う。そうそう、やっぱ、アニマ的なもの必要だと思うんだよね、今も。
巨大な檻の中に閉じ込められた人間の見ている夢という検証不可能な仮説
数ヶ月のうちにネガティブなダメ人間、ポジティブなダメ人間という急激なパラダイムシフトを経験して足許がぐらつくのを感じた。そこで精神を安定させるために検証不可能な仮説を立てることにした。
未知の大きな存在によって捕らえられた人間がいて、とてつもなく大きな檻の中に入れられている。一辺が数百キロにもおよぶ巨大な檻で鉄格子それ自体は見えないのだけれど、確実にその檻の中にいることだけは分かっている。
自由を奪われたことに腹をたてて、不平不満をいい、愚痴をこぼす。そして気が済んだら少し寝て、目が覚めればまた同じ事を繰り返す。
自分はその人間が見ている夢の中で連続しないアイデンティティを瞬間的に意識する存在である。一生変わらないことは一瞬にして変わってしまい、一瞬にして変わってしまうことは一生変わらないと思い続けることができる。「一瞬」はスライダーバーを動かせば最後の瞬間に即座に移動し、一生になる。
ピントがずれた像しか結ばないこの夢のなかで自分を更新するためには「巨大な檻に閉じ込められた人間」を想像することしかない。それ苦痛なら「巨大な檻に閉じ込められた人間」なんていないのだと思い込んで、今の自分に見えているもの、聞こえているもの、感じているものがすべてなんだと覚悟して受け入れるということもできる。
いまも「巨大な檻に閉じ込められた人間」を想像するこのはなぜかとても恐ろしい。