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去人たち開発ブログ

同人サークルK2Ceeが去人たち開発についての記事を掲載してきます!

去人たちをプレイしたら精神科を受診しよう!~実践編~

去人たち 製作者日記

K2Ceeの同人デジタルノベルゲーム『去人たち』を愛してやまない、ちょっと様子がおかしい方々、いかがお過ごしでしょうか。
いえいえ、あたしへのお気遣いありがとうございます。あたしは何の問題もありません。万事オーケー、ノープロブレム。よろしくやってます、ええ、大丈夫です。完全にクリア、オールグリーンな状態です。ええ、ええ、お気遣いありがとうございます。

今回は、みなさんお待ちかね
去人たちをプレイしたら精神科を受診しよう!
の実践編です。
今回は実践編ということで、久しぶりに精神科を受診してきましたので、それについて書いていこうかと思います。

ああ、この記事ずっとまってたよね!
という方は大変多いのではないかと思います。
大変お待たせしてしまったようで、あいすみません。

今回は、去人たちZERO-prologue-もリリースしたということもありますので、ユーザの皆さまのメンタルヘルスを自身で配慮していただこうという趣旨で、この記事を書こうと思います。
今後、去人たちという完全なる虚構の作品では精神、幻想、現実を虚構なりにテキトーに記述されていますが、今後リリースされる『去人たちの続編』も同様の傾向がありますので、注意喚起と親愛なるユーザへのサポートの意味があります。
あ、でも、こういうと誤解されるかもしれませんね。
きちんと行っておいた方がいいかもしれません。

『去人たちをプレイしたせいで気がくるったじゃないか!』

とクレームをつけられても困ります。
わたしたちに、あなたがたの気を狂わすほどの能力はないのです。間違いなく。
気が狂っているのはあなた方だけの問題で、あたしが気が狂うのはあたしたちだけの問題です。

ということですので、K2Ceeといたしましては、去人たちをプレイしたことでメンタルヘルスに著しい変調を来しても一切責任を負えません。

前書き

この記事は虚構みたいに見えますが、精神科受診の実践的で現実的な内容です。
ですので、歌穂*1のような女子高生の無免許精神科医はでてきません。
誰か死んだりするような話もでてきません。
精神科を受診するというはなんにも難しいことではなくて、気軽にいけるということ、そして精神科にあらぬ幻想を抱いても幻滅するという話です。

前提として:「死にたい」なら「死にたい、イエイ!」と言おう

抽象的に書きすぎると日記文学だと誤解されて虚構化されるので、事実を簡潔に書いておいたほうがいいかもしれない。
まず、「自分がそう感じている」ということは事実です。誰がなんと言おうと。
誰かが「甘えだ」と言ったとしても、問題はまったく別です。
神みたいな存在がいて、完全に公平に判断した上で「あなたのは甘えですね、たいへん遺憾ですが……」という事態になっても気にしなくていいです。
いま、自分がどう感じているか、まずそれだけをきちんと言葉にすることです。偏りのない気持ちはありません。そして、自分がどう偏っているかなんて気にしないでオーケーです。

kow@suhito/14歳のカルテ

  • 社交的な場が大嫌い
  • 混雑したところが大嫌い
  • 人前で話すことが苦手
  • 人の視線が恐い。社会的に非難されないな範囲で目線を合わせない
  • 『ルール』はゼッタイ守るべきだと思う
  • 過去に、抑うつで精神科を受診し、主にSSRIによる薬物療法寛解
  • ただし、慢性化した抑うつの自覚症状がある
  • 今回はパニック発作で精神科を受診することにした(←いまここ)

パニック障害のはじまり

朝の満員電車、急行。身動きがとれないほどの混雑。
「朝だるし、やる気無いし、人多くて嫌だなあ。毎日毎日、こんなこと繰り返して何になるんだろう。はあ……」
これの繰り返し。繰り返しのなかで徐々に、奇妙な違和感が入り込んでくる。
「ん? 心臓がばくばくしてる? 手汗。指先がふるえる。二日酔で脱水症状かな。水分足りてないかな」
身体症状だけでなにか自分では納得していて気付いていなかった。一番問題だったのは言葉にできなかった「説明できない不安感」である。

はじめてのパニック発作

朝の満員電車、急行。時間ぎりぎりの電車に乗る。身動きがとれないほどの混雑。
「はあ……、今日はぎりぎり。しかも、やりたくない仕事ある……」
動悸……胸のつかえ……手汗……、調子悪いなあ。
坂を転がり落ちる石……まさに、あんな感じ。速度をあげてどんどんと転げ落ちていく。
自分の乗車している車両の輪郭がはっきりと意識される、密閉された空間の中で自分の意識と鼓動だけが肥大化する。
自分はそこから逃げることできず、理由もない不安感に支配され。首に縄をくくりつけられて、ぎりぎりつま先立ちしながら耐えている、そんな感じ。
新鮮な空気を吸いたい、両手を伸ばして、自由に身体を動かしたい、電車降りたい。
そして、先行車両がつかえて、電車は停滞中。
脱出できないこの状況、混雑、閉鎖空間。
立っていらないほどの動悸、そして不安感。全身に冷や汗。手足の指先が、ふるえて痺れてくる。認識できる視野は狭まる。満員電車でしゃがみ込むこともできないので必死につり革にすがりつく。
それでも、ずっと考えていたのは、
この電車逃したら遅刻する、なんとか、もう少し……
ということだった。
降りればいいものを、降りずに我慢して、目的の駅で下車。閉鎖空間から出て、深呼吸する。転げ落ちた坂をゆっくりと元の状態にもどっていく。
でも忘れることができない悪夢のようにずっと、一日その恐怖感はつきまとっていた。

極力電車通勤はやめようと、決めた。

そのときの病識

自分の症状がパニック障害という認識はあった。
だが、そのときは精神科を受診しようとは思わなかった。
たまたま、調子が悪いだけだ。必ず発作が起こるわけではないし。
満員電車で閉鎖空間でないことを認識しなければまだなんとかなっていた。
深呼吸をし、素数を数えれば、短い時間だがそこが閉鎖空間であることを忘れることができていた。

パニック発作の発動条件が追加されました

はじめての発作から、2ヶ月ほどたった。
相変わらず、満員電車の状況では大小の程度はあれ、発作が起こった。
発作の経験頻度が多くなっていくことで、いわゆる「予期不安」が生まれ、それが発作をさらに起こしやすくしていった。
状況は悪く進行していて、それを裏付けるように発作の発生状況が追加された。

  • 行列ができるほどの人気がある飲食店
  • 床屋

おいしいものを食べるのが好きで、いろいろ食べ歩いていたので、これはライフスタイルに影響した。
床屋もがっちり逃げられない状態で死にそうになりました。

発動条件

「○○○しなければならず、それが完遂するまではその状況から退避できない空間」にいるときに発作がおこる。
しかも、それは自分以外の対象が関わっている。
満員電車では、自分以外の乗車客、飲食店では、店員とお客、床屋では理髪師。
自分以外の対象が「自分に求めていること」を自分で勝手に規程し、自分はそれ以外の行動をとってはいけないと思い込むことで「逃げられない」状態を関係的に作り出している。そこに閉鎖空間という知覚的な認識が加わるとばっちり発作が起こる。

精神科を受診してみよう

これまでの慢性化した抑うつは、「障害」ではなかった。それとの付き合い方を分かるようになっていたし、ある程度共存共栄していると思っている。
だが、パニック発作の症状は「障害」だった。
この「障害」の解決策は精神科は受診だと判断した。でも、精神科受診は本当はできればしたくなかった。
なぜ、精神科をしたくなかったか

  • 暗澹とした待合室
  • やたら長い診察待ち時間
  • 薬物療法を開始すれば、経過が良好でも断薬まではとてもつもなく時間がかかる。(受診の時間的コスト、費用的コストは馬鹿になりません)
  • 歌穂みたいなとんちきな精神科医がいないので面白くない精神療法がない

そもそも病院が好きという人は少ないと思うが、その中でも精神科の待合室の雰囲気は最悪だと思う。
まるで自分が重病人のような気持ちになってしまう。あの場所にいるだけで、ありもしない自殺願望が生まれてくる。
でもすべての精神科が「暗澹とした待合室」や「やたら長い診察待ち時間」という訳ではない。こざっぱりしたクリニックで予約制のところを選べば大丈夫。都市部ではメンタルクリニックは多くホームページを確認してみよう。ただ地方になると、クリニックを選ぶほど多くないかもしれないが「予約制」があるとないとでは待ち時間がちがうので、できるだけ予約制のところをおすすめしたい。
あたしが今回受診したクリニックは明るくきれいで待合室もプライバシーに配慮してあって本当に関心してしまった。
予約制なので待ち時間も少なく、心理的な負担も少なかった。

次に神経症、うつで精神科を受診した場合、治療方針は薬物療法になるとおもっていいと思います。(※統合失調症のように精神療法も重要なケースは違うのかもしれません)
診察の中で心理学用語や精神分析用語などでてこないので安心してほしい。(そもそもクライアントに専門用語つかわないと思いますが……)
精神療法を希望するなら、心理カウンセリングという方法もあるかと思います。値段クソ高いですが。

ザ・初診

さて、これらの状況を念頭に初診に臨めば診察はスムースに進めることができると思います。
クライアントは精密機械でドクターはそのメンテナンス係のようなものです。
ドクターは機械の調子が悪い部分を推測して、ネジを締め直したり、オイルを差したりしてくれます。
ただ、スパナやオイルの代わりに向精神薬を使うだけです。

ですので、診察では、

  • 混雑した電車で動悸がして、冷や汗がでて、立っていられなほどしんどくなる
  • 人に怒られると死にたくなる
  • 天井に誰かがいていつも自分を監視している

などようにはっきりと自分が感じていること伝えましょう。
ドクターとはいえ、そんな今まで誰にも打ち上げたことがないことを初対面の人にいきなり言えないと思うかもしれません。
であればまず話せるところだけでも、断片的でもいいです。

なんども言いますが、ドクターは精密機械のメンテナンス係程度です。
「クライアントの気持ちに寄り添って、心理的な根本原因を見つけ出し、解決してくれる」などと思っていると失望するだけです。
メンテナンス係は、30分未満の時間で効率よく精密機械の調子を確認して、今のメンテナンス方針に間違いがないかを確認するお仕事の人です。

もし、自分の心理状態や会社の口や人間関係のストレスを聞いてくれ、アドバイスしてくれるドクターを探すなら、たくさんのクリニックを試すしかないと思います。
そしてそんなことを聞いてくれるドクターがいたとしても、Yahoo知恵袋と同程度のアドバイスしかかえってこないかもしれません。
完全なメンテナンス係を決め込んだドクターの場合は、アドバイスどころか、逆に冷たい目で蔑むように見られたうえに、説教されることもあります。
そんな場合は、藪医者!といって怒鳴って診察室を出ましょう。


あたしが今回の初診でドクターに話したことは簡潔。

  • 自分のざっくりしたプロフィール
  • 現在の生活に関する情報
  • 過去の病歴(既往歴)
  • つらいと思っている症状
  • その症状がではじめた時期
  • 他に飲んでいるクスリ

調子が悪くて診察をうければ、何科を受けようと問診があるものです。
精神科ではそれに心理面に重点をおいたプロフィールや、現状の生活環境のヒアリングが追加されるだけ。
これらは、対話のなかでやりとりしてきますが一通り話し終われば、ドクターが所見と治療方針を説明してくれます。
こんな感じ

どう、精神科の診察はなにも特別なことないでしょう?

あたしの場合、うつについては現状のままにしておき、とんぷくとして抗不安薬を服用しましょうとなりました。

通院治療

あとは通院治療です。
これも精神科だからってなにか変わったことはありません。

  • 症状が改善したか
  • クスリの副作用はあったか

症状が改善していれば、継続して経過をみる。
症状が改善しない、悪化している、または副作用がつよければ、別のクスリに切り替えてみましょうとなるだけです。
精神科はクスリを複数組み合わせて処方して、それの飲み合わせであーだこーだがあるようなので、経験がものをいいます。
薬物の処方は職人技なのかもしれません。

あたしの場合は、抗不安薬の服用で症状は完全になくなったわけではないですが、発作が起こらなくなったので、変化がなければこの対処でいくことになりました。

長期的なプランを確認しておくとなお良し

安定したところで、長期的な治療プランを聞いてみましょう。
理想は、減薬からの断薬です。
根本原因を解決しないでこれができるのは、環境が改善した場合、器質的な原因による場合です。
減薬、断薬の話をしても、合理的な返答をされないのが当然ですが(そもそも対症療法しかしないので)、もしきちんと返答してくれるドクターはけっこういいなあと思います。

まとめ

精神科というと、いわゆる心理カウンセリングをイメージする人がいるかもしれませんが、症状を緩和させるお薬を出してくれるところです。
精神科のドクターは、多種多少なお薬の調合師で、絶妙な配分でお薬をして問題を解決しようとします。
一方で、心理的問題を抱えたクライアントは、薬物療法に疑問を持つと思います。自分がいましんどいのは、自分がダメな人間だからとか、宇宙的規模の運命の人と死別したからだとか、小学生以下の女の子にしかなにも感じず衝動が抑えきれないとか、クソ上司のパワハラのせいとかによるもので、ドーパミンとかセロトニンとかアンフェタミンとかなんだか知らないがそんな見たこともない脳汁のせいではないと感じるからでしょう。
精神科のドクターはクライアントの環境に干渉することはできません。ですから、クライアントがそれぞれに訴える過酷な環境下の中でも症状が緩和される、あるいは悪化しないようなクスリを処方するだけです。
さらにいえばドクターにとって「根本的な問題を解決したら、患者がいなくなってしまう」という経済上のデメリットがあるので、わざわざ精神療法という治療点数に見合わない多大なコストをかけてまで治療してやるつもりはない――ってのは、あたしの穿った見方でしょうか?

だから、大事なのは次に述べることです。
人格障害なり精神障害なり診断名は置いておいて、「つらい」と思うことに対して、薬物療法は一定の効果があるのは事実である。
その関係性を理解してスマートに精神科を利用しましょう。