みなさんが、14歳以上なら、「境界線」という言葉をどう使えばかっこよいかと考えたことがあるのではないでしょうか。
生まれたてのころを思い出してください。まだ視力もほとんどなくて、すべてしかなかったときのことです。そのころは境界などなかったことをありありと思い出せることでしょう。芥川の河童ですって? ちょっとまってください。ここではまともな現実の話をしています。芥川の河童などと言い出すならもうあなたはある境界線を挟んだ此岸と彼岸で十分に境界線を堪能しています。だから、落ちついてください。これは境界線以前のお話です。
生まれるか生まれないかを悩むことなく虚数の宇宙の中の主であったのに、ここではどうもおかしい。まるでデバフ系のステータス異常です。もちろん、エリクサーをつかえばいいのです。無尽蔵にあるのですから。エリクサーは無尽蔵にありました。ただそれは有限だったようです。合理的な分解能で分割された単位時間に1つずつつかっていったのですが、ほとんど使い切ってしまったようです。その分解能というのもテレビのように24H/zぐらいだったら、ずっと無尽蔵のままだったんでしょうが、無尽蔵と同じ土俵で無尽蔵に使用してしったのがいけませんでした。宇宙からみたあなた0歳は、ほんとうに無慈悲な暴君でした。
そんなあなた=暴君もエリクサーやポーションや薬草、エネルゴンキューブを使用してなんとか7歳になります。あなたはエリクサーが有限であることに気づきました。分解能を低くすることでエリクサーを貯蓄する方法を学びました。自分のHPやMPに上限があることに気づきました。つまり下限というのものもあるはずなのだとうすうす気づき始め、しかしそれがなにか理解できない恐ろしいものであると感じています。
周囲では自分の分解能を超えて「死」という現象がいくつか発生したのを経験しはじめます。暴君はエリクサーと死の関連性についてうっすらと心地良い恐怖を感じ、エリクサーがよくないものであるような感覚にとらわれます。
ポーションや薬草、小さなエネルゴンキューブでHPやMPが下限に達しないように1分解時間を経過させていきます。そして、在庫量と時間の関係に暴君は気づいてしまいました。
おめでとうございます。あなたは宇宙年齢で14歳に達しました。
あなたはそこに達するまでにほぼ無人蔵といえる境界線を作りました。今後、暴君は急速に凡人化していき、比例するように分解能を低くしていくしかない。
おめでとうございます。あたなは宇宙年齢で14歳。
「境界線? 何と何の境界?」
誰だって気になるはずです。その境界を突破していけばいいのではないでしょうか。なにせ、境界線は無尽蔵ですから。
ああ、あたしも14歳だった。