kowさんは天ざる大好き

創作に絶望すると、世界が反転した日記

7月15日(水)

雨の音で目を覚ます。確か一回アラームが鳴ったような。鳴らなかったような。酒がほとんど抜けていない気がする。目が開かない。脳みそジーッンとしている。脳みそのなかに石ころが詰まっている。仕事開始を予定していた時間を過ぎている。寝ぼけながら排尿して水を飲む。悪心がひどい。朝のルーチンが何もできない。まあいい。稼働開始して、休憩の合間に朝のルーチンワークを逐次やっていこう。

稼働開始して Slack の未読を消化する。技術的なピンポンやりとり、雑談。たいした物はない。オレのポエムにいくつかレスポンスがついている。ウチの会社は職位があって、それに紐付いて給与体系が変わるのになぜ、job description が存在しないのか。job description がないことでプロジェクトのコミュニケーションにも期待のミスマッチが発生しトラブルになっている。わざわざ、「このプロジェクトにおけるプロダクトオーナーに期待することは」などとドラッカー風エクササイズからしなければならない。そこは前提であり、ドラッカー風エクササイズの本質は個人のWHY、プロジェクトのWHY、メンバー間のWHYを相互にすりあわせること。こんなしょうもないことが毎回毎回オーバーヘッドになっている。キャリアパスを計画するのにも妨げになる。改善して欲しい。触らぬ神に祟りなし。誰もリアクションもつけないが、奇才アオさんが例のフランクな感じでコメントを反応してくれる。特に上位の職位についているからメッセージにインパクトがある。会社として興味がない理由はしらないけど、スキルマップは必要、自分のスキルマップも提示できたらいいと良さげな反応。その反応に笹野マネージャーも呼応してマネージャー会議の議題として提案してくれるとのこと。あたりまえの事をいって、だよねってなって、じゃあ、動きますねって、この問題は一年以上前に認知できたことだとは思うだけど。昨今のスケールする組織という文脈が求められている中で妥当性が向上した、時世が変わったと考えることにする。ポエムがポエムのままであってもいいし、ひろってくれるならそれでもいい。結果には期待しない。健康のためにはそれが必要だ。それにしてもみんな業務外でチャットをするとか、仕事が好きだな。
コア時間帯になると今日は体調不良が多い。笹野マネージャーが発熱で病欠。栞も病欠の連絡。瀧山は有休。RMI チームは若手が放り出されている。ちょっと気になってチームの Slack チャンネルをのぞくが自分たちができることを自分たちで考えて進めている。チームのミッションが分かっているからリーダー不在でも自分たちがやるべきことを確信してやれる。よいチームだ。うらやましい。
オレはバックログアイテムをぼんやり見ながら、どれもやる気がしない。目的、ミッションがないから個人のWHYで動くほかない。どのバックログもWHYが書いてないので響かない。いわんとしていることは想像できるが確信はない。今日は休暇みたいな日と割り切る。オレたちが戦っているコードベースの分析をしてみる。セプトアギンタプロジェクトで次世代アーキテクチャにのせかるとの噂もある。現状を把握しておくことは必要だ。ソースコードの循環的複雑度を計測する。最大200ほど。循環的複雑度は70オーバーで複雑すぎていかなる変更もバグを含んでしまう、というヤバさである。なあに、たかだか四千行のクラスではないか。天才プログラマーを夢見ていたときがあったオレがパパパとやっつけてやんよ。そっと分析結果を閉じる。分析結果の簡易レポートをチームメンバーに共有する。チームメンバーは興味がない。それでいい、いまは目の前のタスクをやっつけるので手一杯。その分析はその忙しさの震源地でそれを直せばそもそもこの忙しさはなかったのかもしれない。そんなのはみんな知っている。その分析結果は重要だが緊急ではない。目の前のタスクは納期があり緊急で重要なのだ。そのチームは忙しいあまりに自分たちがどうやれば忙しくなくなるのかさえ考えることができなくなっている。死ぬまで走り続ける。それか退職してやっと止まることができる。そのタスクは本当に緊急ですか? やらないといけないですか? WHY がないのになぜそれを判断できますか?
知らず知らずのうちに大量のポエムをどうでもいいチャンネルに大量に投稿する。みんな呆れている。でもオレには失うモノはない。正しいと思ったので自身をもって投稿する。知っているけど言わないこと、言うと角が立つこと。言ったやつが責任をとってやるべきだと言うヤツもない。オレのポエムはいったいどこに届いているのか。精神的に疲弊して仕事を終える。フルタイムどころか残業してしまった。首、肩が重い。

退勤すると日が落ちかけている。今日はエクリプスチームで Left 4 Dead のゲームDAYである。眠い。日記も書かないと。まずは風呂にはいって気分を入れ替えよう。脳内が会社に汚染されている。一つのことを考えるとそれに対する不満や不安、怒りが収まらない。一つのタスクを取ってしまうとそれが解決するまで脳内の思考をブロックする。それは問題解決のモチベーションともいえるが、自分の領域外の問題について考えてしまうと断続的に負荷をかける意味のないストレッサーとなる。手の届かないところについて考えるのはやめよ、とオレはオレに命令するがとまらない。あやはオレがパニックになっているのをプリングルスのサワーオニオンを食べながら面白がっている。風呂に入って瞑想する。ほんの少しだけ仕事を引き剥がすことができたが、あまり状況はかわらない。やはり酒かな。アル中まっしぐらだなあ。
夜はカレーを食べる。ネットニュースを見ている間にゲームの時間。何もできていない。

二一時からはゲーム。まぶたが重い。ゲームができるぞ。ひさしぶりの Left 4 Dead 。お酒をとってきてぐびっとやる。押しのけていた眠気が徐々に盛り返し押し寄せる。ロビーでぼんやりまっている。行方さんとラーメン大好き河合さんがくる。オレは判断力がないので今日はトリガーハッピーでいくぜ、といってすべておまかせ。マウスをカチカチ。目標をセンターに入れてスイッチ。目標をセンターにいれてスイッチ。ひゃひゃひゃ。しね、しね、しんでしまえ。ひゃひゃひゃ。全力少年で走ってくるゾンビがうらやましい。オレにもその力を分けてくれ。全力になりたい。エネルギーを使い切る。今回は Easy ながらステージを乗り切った。オレたちは戦いながら成長している。
クリア後の感想戦、ふりかえり。失敗したところの共有。良かったところ、もっと善くすべきところを話し合う。ワークショップ形式でなく自然とこういうコミュニケーションがとれるのはよきかな、よきかな。クリアもできたし成長も実感できたし、これがゲームの醍醐味だなと一人満足する。
あまった時間で雑談をする。WEBの蔓延するエロい広告の話から、オレが性的に興奮する強度や頻度がなくなったとか、性的なモチベーションがすべての行動の原点であるとか。金と女を手に入れたら創作ができなくなっちゃうヤツとか。宮崎駿に女児がうまれていたら名作はできなかったとか。人間は性的に倒錯しかありえない。全員が変態でありどのように変態であるか、カテゴリ分けとその量の差しかない。そのエネルギーの投資先の選択と集中こそが個人の成功である。持てるために持てればそのエネルギーの投資先として選択は正しいし、そこに集中して投資したことは正しい。是非もなし。オレはそれがたまたま創作という方向に向いたらないいな、と思っているだけ。河合さんも行方さんもプロの創作の現場にいるからそういうところを強く感じているようだった。人間が作るものだから、変態的なものを正しく創っていってほしい。

オレは早めに会話から離脱する。生活を立て直さなければ。執筆作業をする。つらい。眠い。眠いけど寝られそうにない。眠気を感じている部分と脳内の流体の回転速度を感じている部分。回転速度を遅めないと寝られないのを経験的に知っている。熱燗を入れる。なんとか眠りたい。

薬を飲んで寝る。