kowさんは天ざる大好き

創作に絶望すると、世界が反転した日記

8月12日(水)

今日はエクリプスの打ち合わせがある。前日はなるべく早く寝ようと試みた。布団に入ったのは二十四時前。結果、寝たのは二十五時ぐらいだったが、比較的良い寝付き。寝たりないのだが、スヌーズとの戦いを短めに終えて、仕事を開始する。

今日もチームビルディングのドキュメンテーションをメインにこなす。午前中は我々のチームにジョインした浦野さんをマジえてモブプロをする。エンジニアはどうしても課題に対するソリューションを時間的に最短で終わらせようとする。オレも当然その傾向がある。浦野さんも課題の理解とその解決のための成果物をはやくアウトプットしたくて早口になる。シニアエンジニアの丹波さんも同様。議論のショートカットがすごい。事実と意見がごちゃになる、次に何をやるべきかとなぜやるべきかが見えなくなってきて、調べたいから調べるという袋小路に入り込む。損な役回りではあるがオレは抑え役をやるしかない。What が出てくる度に、なぜ?と問う簡単な係である。賢い愚者パターン。解決までのプロセスをWHYによって意識的に整流化するクセをつけることで、大規模プロジェクトにおいてもより正しそうなプロセスを選択できるようになる。これはエンジニアの見えないスキルだ。難しいのは正しい問いを立てることだ。正しい問いに対して正しいプロセスを経て課題解決に挑戦できるか。表面的な技術以上に大事。しかし指標化されないので評価されないし、「難しい課題を解決した」という理由でその過程ではなく結果でなんとなく評価される。難しい課題を正しいプロセスで成果を出せない場合はもちろん評価されない。これは間違っている。
午後はチームビルディングの思考実験。社内のアジャイルギルドのチャンネルで出来たばかりのチームはいつチームビルディングをしたほうがいいのだろうかと問いかけてみる。課題感を感じるからチームビルディングをするとモチベーションは上がる。課題感もないのに、スクラムマスターがチームを成長させるためといってチームビルディングを主導するのとでは変わってくる。うちの会社のスーパーギーク増田さんが答えてくれる。チームである必要を現状の課題を出し合って議論する場を設けてからチームビルディングに臨んではどうか、という提案であった。スーパーギーク増田さんは実存しているのかどうかもわからない。とんでもないハイクオリティなオーパーツを生み出すことで有名なエンジニアである。でも増田さんの提案では解決しない気がする。まあ、オレがやってみようと思っているのだからやってみるしかない。アジャイルとは経験論によるアプローチなのだ。

仕事が終わると、すぐにエクリプスの打ち合わせ。身体はプライベート、頭は仕事。すぐに切り替えられなくて身体がびっくりする。でも仕事の頭なので議論が始まればすぐにスタートダッシュが決まる。これは夜にやるよりも遙かによい。うむうむ、これはふりかえりから良い提案をもらって実行できている、しめしめ、と思う。一旦、夕飯休憩を挟んで夜の部をやる。二十三時までしっかり議論する。後半はみんな議論でヘトヘトになっている。互いが互いを支え合い、意見を拾い上げながら進める。それでも十分高い質の議論はできている。タイムオーバーになるとみんなぜぃぜぃ言いながら退席する。企画も開発も短距離走ではなくマラソン、ペースをつかめないうちは無理はできない。最後にチームビルディングの参考意見を思い出したように聞く。なんでゲームを作りたい行方さんやラーメン大好き河合さんは、オレのチームビルディングをしようという提案にのってくれたのだろうか、という疑問だ。ゲームを作りたいのになんで企画でもなく自分たちの話をするのか、という拒絶反応があってしかるべきではないか、という質問である。河合さんも行方さんも作りたい物は直感的、肌感的にあるのだけど、それだけではやっていけないので、最終的には理詰めを使うことで競合に負けない自分らしさを考え抜いて作り上げているという前提があるとのことだった。その考える仕組みは今まで自分流だったけれども、オレのチームビルディングの説明を受けたときにそれが自分流にやっていた「理詰め」と近しい臭いがしたので抵抗なくトライできたという回答。なるほど、まったくだという気づき。課題感をもって取り組んできたことに対して、ある種のソリューションが提案されたんだという感じか。
では、オレは未熟で課題感を共有できていないチームに対してチームビルディングを主導して受け入れられるのであろうか? これは個人の話になってしまう。なぜこの組織に所属しているかは、個人の思いがある、それは強制できない。そこでチームとして働くことに共感してもらえれば課題感がなくてもトライしてもらえるだろうし、共感してもらえないならば効果的なチームビルディングにならない。なんかいやな感じがする。オレだけが先走っているのではないか。悶々としながら打ち合わせを終える。

少し執筆作業したあと、薬を飲んで寝る。