去人たちを作れなくなったうつ病プログラマーの地方生活日記

創作に絶望すると、世界が反転した日記

8月21日(金)

朝が起きられないスヌーズとの戦い。昨日何時に寝たのか覚えていない。寝れずに少しお酒を飲んだが、けっこう飲んでしまった気がする。土管に入ってワールドをチェンジするような時が必要なのです、オレには。抑圧しなければいいのだろう。でも抑圧は世界のせいではなくて自分の選択なのです。どのような世界に棲まうかを選んだ自分は、世界に自分以上の物語を求める傾向がある。自我と世界は浸透膜に隔たれて自我は世界に少しずつしみ出すようになっているのです。それは正しい力場ではありますが、自我にもミネラルを含んだ水分が補給されなければなりません。補給が足りていないと自我は枯死します。精神生活とは常に安定した圧、ストレスがかかっているエコシステムなのです。循環装置であり因果はそのループのなかで逆転すらします。心的エネルギーを移動させる差異にこそ注目すべきで、その過程の認知と自覚的な抵抗に私的小説的な楽しみを感じていた、昔のオレは。

朝のルーチンワークは維持できなくなっている。起きてベランダで日光浴をして重い頭を抱えたまま仕事に取りかかる。オレと丹波さんと浦野さんの超弱小チームの名前は、"シデムシ隊"に決まった。RMIチーム、CRMチーム、プロダクト開発チーム、それらの責務をこえたタスクを拾うチーム。臨機応変にどのような種類のタスクもこなす器用なチームともいえるし、ただの雑用チームとも言える。チームビルダーのオレは正直こまったなと思っていたのだけど、浦野さんがチームのムードを変えてくれる。誰もやりたくないけど十分に価値のあると言えることをやる。丹波さんがいう。でも最後には僕たちも"シデムシ"によって分解されなければならない。地獄少女にも聞かせてあげたい言葉である。このよくわからない自己犠牲精神、もはや自虐である。オレはこれをわざわざ制止する必要があるのか。およそ統計的に挫折が予測される期待は、彼、彼女の背景にある意欲はハイリスクハイリータンである。バランスが大事とか大人っぽいことをいって成長の伸びしろを制限したくはない。オレは未来を予測できない。誰も未来を予測できない。やってみたいと思うことはやるべき、というのが何よりも大事、ただし事後検証可能であること、事後検証が次のアクションへのインプットへとなりえること。不思議だ、浦野さんや丹波さんみたいなことを言う人、どこにでもいたのに、もう何年も出会っていない。彼らは本当に存在しているのだろうか。
それが「適応」ってもんだろ? あやが本を読みながら声をかけてくる。お前はもっと社会に適応しろ。あやはヘラヘラした笑みを浮かべて反論する。「適応すべき社会がない」、まるで煽るように、または挑むような目線。あやには物語的世界と現実的世界の区別がないようにみえる。それは幸せそうにみえるし、オレには不幸にもみえる。引きこもりっ娘のあるあるなのかもしれない。あやはリスクのないコミュニケーションができるようになった仙女のようである。奇妙な魅力があるのは事実だが、一緒に居るとただただ怖い。あやが黙っているとき、オレは本当に一緒にいるのがつらい。
シデムシチームのチームビルディングをする。オレはミーティングをリードするが強引なすすめ方をできるだけ抑制する。抑制すると時間が足りなくなる。だから強引に決める。バランスだ。いきなり安定した合議制を導入できるわけではない。オレが先頭をきって傷を受けながら後衛を引っ張る。ときにはその流れで後衛と前衛を交代してもらったりする。ビルダーはファシリテーターでもある。じりじりと後衛にさがりながら丹波さんと浦野さんが前衛の逆三角形スリーマンセル体制にもなる。議論が停滞すればオレが先陣をきるスリーマンセル体制に戻る。これを繰り返すことで、互いのポジションをだれがどう入れ替えても出来るようになっていく。

仕事がおわるとハイパーマートにでかける。半額のお惣菜をじゃんじゃん買う。カット野菜もかう。きょうは半額のお惣菜が多かったのでルンルン♪ レジが混雑している。大人のオレは余裕で待てる。列の間隔を開けてゆっくり待つ。会計が終わってさらに一つまえに進もうかという段階、おれは大人の余裕があるから急がない。だが残念、その列が進む間にできた列の間隔によって、オレが最後尾ではなくなった。俺の前に男性が割って入る。オレは口を開けて言葉を発しようとしたがとどまる。大人のオレは余裕で待てる。だけど、なにかが違う。混乱する。時間の問題じゃない。でもこんな小さなことで文句言う十四歳かっこ悪いだろう。ぎゃー大声で発狂したくなる。自分が小さい人間であることと、まったく無意味で価値のない葛藤、世界とはオレが作り上げているという事実、しかも小賢しい世界で、それを濫りに破壊してはならないのだ。忌避している安全厨であり共鳴厨となんら変わらないのだオレは。死にたい。

家に帰る。お風呂に入りたくない。疲れた。もうどうでもいい。お酒を飲む。執筆作業をする。

今日は飲まざるを得ない。クスリをのんで寝る。