kowさんは天ざる大好き

創作に絶望すると、世界が反転した日記

実践! ScanSnap - 村上春樹をばらす

さて、まずスキャンを行うには本を解体しなければならない。
こういうと硬直思考のシトは
脱構築するんやな!」
と内容レヴェルのことをいってしまう。
ちゃうねん...って。今回は形式レヴェルでもなくて、物質レヴェルのお話し。

ScanSnapの活用方法を模索しているのは他のかたもおられて、
http://www.piro.hopto.org/~piro/pukiwiki/pukiwiki.php?%5B%5BScanSnap%5D%5D
なんか、とっても参考になります。


断裁機 PK-513。結論をいうとわたしも買ったのだが、これは素晴らしい。
一度に150枚300頁をすっぱりと綺麗に裁断する。
これ以前に、わたしはお金をかけないために、カッターやらのこぎりで本の背表紙部分を切ろうと試みたんですが、これまったくだめ。
まあカッターで切るのが、一番まっとうな方法になるんでしょうけど、分厚くなればなるほど切り口がズレズレになる。
他にも、本をしめらせてみたり、焼いてみたり、良い方法をさがしたんだが、やっぱりPK-513。二万ちょっとだったら、カッターとかで切る労力をすぐに償却できると思う。
小一時間で、村上春樹はすべてばらばらになってしまった。
世界の終わりとハードボイルドワンダーランドを切っていていたら、やみくろが沸いてくるんじゃないかとおもってやみくろ除けを用意しておいた。博士やピンクのスーツを着た太った女の子は大丈夫だったろうか...
もうねじまき鳥を切る段になると儀式的に、泥棒かささぎをかけて、PK-513に向かった。あのあつさは、一度文庫本を真ん中から半分に分断しないといけない。
真ん中あたりをぐいと開いて、そこをカッターで切る。これは綺麗にすっぱり。そこでPK-513で背表紙部分をばっさりやる。
泥棒かささぎが終わってフィガロの結婚とかになる前に裁断終了。

すると、もちろん電話がかかってくる。
電話にでると女の声で、
女:「十時間、時間が欲しいの」
私:「(会社からや!)失礼ですが、どちらにお掛けですか」
女:「あなたにかけているのよ。十時間だけでいいから、時間が欲しいの。そうすればFIXできると思うの」
私:「Fixできる?」
女:「バグがよ」
私:「悪いけど、今ねじまき鳥クロニクルを解体しているんだ。あとでかけ直してくれませんか?」
女:「ねじまき鳥クロニクル? 朝の6時にねじまき鳥クロニクルを解体しているの?」
私:「あなたには関係ないことでしょう。何時になにを解体しようが僕の勝手だ」
女:「それはそうね。まあ、いいわあとでかけ直すから」
私:「ちょっとまって。休日出勤の要請だとしたら、何度電話をかけたって無駄ですよ。こっちは今勤務時間超の身だし、これ以上でても勤務時間がつけられないんだ」
女:「知っているから大丈夫よ」
私:「知ってるって何を?」
女:「だから勤務時間超過なんでしょう。知ってるわよ、そんなこと。そんなことより、早くあなたの大事なねじまき鳥クロニクルをスキャンしていれば」
私:「やっぱり知ってるんだな! こっちは寝てないんだよ!」
電話が切れた。すごく唐突な切れ方だった。


さて、ScanSnapでスキャンする。
仕様は50枚だが60枚ぐらいはいける。
日焼けした本の場合、スキャンモードは白黒がおすすめである。カラーで読み取るとコントラストにムラがでる。
解像度はエクストラファインでスキャンすると本当に綺麗なんだがさすがに、時間がかかりすぎるので、普通に読むならスーパーファイン。
基本的に百頁かそこら単位でしかセットできないので、千頁だと十個のPDFをあとで結合しなければならない。
それはそんなにきにならないけど、面倒な人は、スキャン中に紙を追加セットする方法がおすすめである。残り枚数が少なくなったら紙を追加してセットする。
ただ、この方法、落とし穴がある。
わたしがこの方法で順調に魔の山を1PDFで完了しそうになって、1000頁目。
「システムが不安定になっています」
とかでて、強制中断された。
読み取り限界枚数は1000頁なんや...
500枚の限界値が設定されているような気がする。

こうやって、スキャンしたPDFをため込んで、夜中にテキスト認識を実行させておく。
これをe-book リーダーで読めたりしたら便利なんだが、LIBRIE とかってPDFはやっぱむりなんだろうかなぁ...


それで、ばらばらになって村上春樹が残り、これを廃棄したい...けど、PDFデータの所有権が限りなく灰色なので、段ボールにしまって押し入れへ...かなぁ。