kowさんは天ざる大好き

創作に絶望すると、世界が反転した日記

7月3日(金)

喉に少し違和感がある。寝る前に食べたりお酒飲んだりして胃と食道がやられたかもしれない。仕事でストレスが増えたことで回復力も落ちているのかもしれない。休職前の荒れた生活のときには酒焼けするぐらい飲んでいたので悪い兆候だ。自己診断を終えてアラームスヌーズとの百年戦争となる。百年にもおよぶような戦いに思えたが実際には一時間以内に集結する。
朝の儀式を終わらせる。食器洗いを一番最初にやる。これを一番最初にするとあとの儀式は気持ちよくできる。先日、四ヶ月ぶり体重をはかると六キロも増えていた。運動せねば。Zwift でゆるく運動する。三倍足らずで三十分、汗を流す。冷たい汗がながれる。体調がよくないようだ。右目の奥に小石があってそれが頭痛の元になっている。頭痛とはめずらしい。全裸になって汗をタオルで拭く。汗が引くと仕事用の短パン、Tシャツに着替えて仕事を始める。

Slack の未読メッセージをさくっと消化する。みんなのポエムがつまらない。個人としての存在と東豊算法技研社員としてのオレの存在を比べたときに、あまりにも社員としての存在が軽すぎることに嘆いているのはオレだけである。オレのはポエムではなく上司にかくれて悪態と愚痴をぶちまける一番たちの悪い屑野郎だろ、あやが突っ込む。なにをいうか共犯ではないか。あやはニヤニヤ笑う。性格がわるい。デイリースタンドアップはオンライン開催。あやはカメラに映らないところにさっと引っ込む。笹野マネージャーが進行する。メンバーの進捗と今日のタスクを報告する。どのようにそれをやるか、今日はどこまでできそうかを笹野マネージャーが聞く。それを聞いている立場に何を期待しているのか? とりあえずキャッチアップしておけという程度のモチベーションの情報はどうせ忘れてしまう。オンライン会議の空気も殺伐としている。現実逃避のためにどうしてこういう体制になったのかなと考える。スクラムのいろはは知っていてもスクラムをなぜやめたのだろう。この方法で働くのがこまっていないのか? 働きやすいと思っているのか? 自分がどのように働きたいかを表明する場がないのだろうか、なぜ何もかも萎縮してしまったのだろうか。考えているとオレはそんな人間になりたくないと思い始める。デイリースタンドアップのシメに自由に意見を述べるタイミングで心臓をバクバクさせながらいう。自己が起動しない。あー、うー、あー、うー、あー。五秒ほど発話することで自分の声が聞こえる。自己の起動をサポートしてくれる。オレは復職直後は笹野マネージャー預かりで働いているので、このデイリースタンドアップに毎日でる必要ないと思う、報告内容を聞いても何もキャッチアップしてないので意味がない、と言う。思い切ったことをいうと嫌われるので、画面越しでのメンバーの表情は見たくない。目を伏せる。笹野マネージャーはまあ、でておいてもらえればという。一日のはじめに雑談するために来るという意味でいいとのことなので了承する。
残りの時間は休職期間のアップデートの差分コードリーディング。粛々とプロダクトの機能開発、バグフィックスを進めている。粛々という感じ。滝山が主導しているRMIチームは、リファクタリングもしながら機能開発をすすめている。リファクタリングの量はすくないものの少ないメンバーのなかでリファクタリングを選択しているのはチームとしての意思を感じて好感がもてる。それぞれみんないろんな働き方をしているし、開発部全体としての指針もない。将来性の低い烏合の衆として働くのはつらい。自分の目標を下方修正する。課題解決のプロセス自体に注目しながら自分がタスクを順当にこなしていけるかどうか、体力、集中力の観点で観察する。頭がいたい。時短勤務の定時。捨てポエムをなげて退勤する。

疲労感と頭痛、布団に横になる。頭がもんもんとする。三十分ほどして眠りにおちる。起きると六時すぎ。頭痛が消えない。レトルトカレーを食べる。うまいが味がしない。風呂にはいってぼんやりする。今日はエクリプスの打ち合わせがある。企画会議か。オレはシナリオの企画をうまく考えられないので少し気が重い。自由に面白い話を考えてくださいといわれると頭が真っ白になってしまう。ロックの少ない人生を送ってきました。言いたいことなら大概なんでも言っていい世の中なのにね。おまけにオナニーネタすら思いつかないのは生物としての危機を感じる。人類のリビドーは枯渇しました。現実を受け入れたくないので、目をそらしたくなる。赤毛のアンでも読んで空想癖を思い出すのも良いかもしれない。小公女セイラのように空想しなくても自分を律することができるようになってしまった。または空想を介して伝えたいことはなくなった。本当にしんそこいろんな事にがっかりしてしまった。そしてその上いま自己愛すら希薄になっていくというのか。存在していないのと同じだ。それなら今年中に死のう、来月には死のう、明日には死のう、今日死のうとおもっているうつ病患者のほうがどれだけ人間らしいことか。いけない、つまらないことで深刻になってしまった。オレにはどうせ何もできない。
ミーティングはお酒でものんでリラックスして進めたいところだが、調子がわるいので白湯を飲んでコンディションを維持する。河合さん、行方さんの案は作品性が異なっていて面白い。コアのなる関係性を中心におくか、世界を中心におくか。前者はいわゆる近代ノベルゲームのあらすじとなる。後者は精緻に配置さえれ箱庭のオブジェクトと人が弱い結びつきがあり、時間軸にそって動的に変化していくカオスが潜んでいる。個人的な好き嫌いで語らず我々が作るべきものはなにかという前提で議論する。単に消費するだけでは好きか嫌いを考えていればいい。作るとなればそうはいかない。いずれにせよ、わたしたちは人を書かなければならない。その人のパーソナリティとどのような世界に棲まうかこそが人をえがくために必須であり、それ以外の装置はすべて神みたいなものだ。後者は作り物だが前者はある特定の人しかできないのではないかと思う。@lice が気が違っていたように。でも挑戦すべきはそこで、後者ではない気がする。議論の中でオレは頭を悩める。答えに向かう指針、確信はなにもない。
オレの就寝時間だ、河合さんが時間を気にしてくれる。議論はまとまらなかったので来週もういちど深掘りすることとした。なにかいろいろと考えたほうがよいことがありそうで、なにかメモっておきたい気もするがきっぱり諦める。頭の回転をじょじょに落とす。薬を飲んで寝る。

7月2日(木)

復職お試しの週四勤務のお休み。ついにエアコン業者がくる。朝一での来訪とのことで仕事と同じ時間におきる。リズムを崩さない良きイベントである。例によって朝はアラームとの格闘。なんとか起き上がる。身体の倦怠感も抜けてきた。いよいよ寛解かあ。朝の儀式を済ませると、時をおかずにチャイムがなる。予定時間、定刻での到着。定刻での到着はオレの世界をいじらなくて済むので助かる。予定時間に遅れてこられるとパニックになってしまい、所作がわからず自分自身を切り刻みたくなる。遅れるのはそこまで悪だとはおもわないし、遅れる事情もあるだろう。それを責めていない。むしろオレがそのぐらいの無責任、ゆとりがあってほしいぐらい。ただオレのパニックだけが困る。
今回はベテランで日焼けした精悍な男性が一人。やはり職人らしいと思ってしまう。顧客への対応もこなれた感じでバランス型の職人さんに映った。作業をしてもらう間、オレは離れたところで執筆作業をする。執筆が進まない。作業をしていて気が散るという単純な話ではない。この部屋が安全地帯ではない状態ではない。そのなかで日記が書けない。自己が立ち上がっている、ということなのだろうか。多分、カフェで執筆作業をしようとしてもオレはできないだろう。安全地帯ではないから。「安全地帯ではないから」は何を意味するかはオレにもわからない。立ち上がった自己がまなざしに対して過剰適応してしまうというそれっぽい言葉で濁すこともできるかもしれないが、オレの直感はそれだけではないと思っている。オレは数メートルで人の気配を考えながら真っ白な画面を睨みキーボードを打てないまま考え込む。人見知りのあやもひっこんだまま出てこない。食木崎先生がアドバイスする。あまり考えないほうがよいでしょう。オレはコーヒーを淹れる。それを飲みながら定型にそって書き出してみる。<目覚めるとアラームが鳴っている> それは良い合図となる。ある世界の扉が開き目視、再体験する。それを記述する。職人さんに名前はなく、まるで匿名で誰でもない。職人さんから声をかけられる。建物にもともとついている排水管ですが、規格外のもので劣化も進んでおり期待通り排水するか分かりません。こちらではどうしようもできませんので、水漏れが起こるようであればアパートの管理会社に連絡して対処してください。自己癒着テープで補強しましたがうまくいくかどうかわかりません。エアコンの仕組みすらわからないがオレはうなずく。誰にも期待しない。トラブルがあればオレがどうにかすればよい。トラブルの兆候だけを確認しておけばよい。トラブルが起こるとどうなるのですか、と質問する。具体的にはどこがどにょうになるのか。職人さんは具体的に箇所をしめしここから水が漏れてきますと説明する。理解した。あなたの職域のなかできることをやっていただいた。何の不満もない。撤収際に興味本位で質問する。なぜ、規格外の排水路を付けられたと思いますか。もともと何も考えてないんじゃないでしょうか、長年やっていますが、はじめてみました。ひどいです。オレは理解できないことを理解できないままにする練習を求められた。ありがとう。練習してみます。オレはお礼をいって職人さんを見送る。エアコンの試運転をして件の排水路が機能していることを確認する。こんな古いアパートに埋設されている塩ビ管の排水口、もう耐用年数こえてるだろ。オレは取り付けてもらったエアコンの写真をとる。原状回復でトラブルにならないためには大事だ。遠くからみてみると違和感を感じる。エアコン本体の水平がとれてなくない? 計測してみると左端と右端でずれている。別に機能に影響ないんだろうけど、水平出ししてよ。ひどいよじゃないよ、もう。ああ、気づかなければよかった。これからずっとエアコンは水平じゃないって思いながら過ごすことになるじゃないか。忘れたい。
エアコン取り付け作業のためにデスクを移動した。せっかくなので執務デスクのレイアウト変更をする。執筆用の縦置きディスプレイをベランダ側におく。ベランダの風景がのどかなので、深呼吸ぐらいのほんの短い休止時間に首を動かすだけで視線を休められる。日光が視界にはいる時間も増えるので体内時計にも良い影響があることを期待する。モニターアームを付け替えてディスプレイを配置する。デジタル水平器でディスプレイの水平を維持みたいな調節する。水平が正しいのではなく、自分が見やすいと思ったらそれでいい。常に正対するいちに目を持っていくことはできないのだから。オレはバカヤロウ。
ちょうどおひる。何をたべようか。そういえば朝のお薬をのんでない。冷蔵庫には食パンだけ。冷凍食品はわんさかある。食パンを消費しておこう。冷凍ブロッコリーをルクエで解凍し、トーストを三枚焼く。即席のチーズコーンポタージュスープ。予定がなにもないブランチは心が安まる。あとはネットニュースなどを眺めながら世界と同期する。食後、眠くなる。ここで寝たら、復職を継続できない。風呂にはいる。清掃とお湯の入れ替えが入ったらしい。強い塩素の匂いがする。安全安心の臭い。足裏汚染恐怖症のオレでも安心して共同浴場に踏み出せる。足裏汚染恐怖症は勝手にオレがCoccoの悪影響を受けたものであることは絶対に誰にも言わないようにしている秘密だ。治るなら治って欲しいものだ。風呂上がりにホームランバーを食べる。うまい。うまいが、オレが生きていてはいけないような気持ちに少しなる。罪と罰を読んだところによると、オレには罰が必要な気がする。ベランダから飛び出すのは罰ではなく罪だ。オレはできることにする。のんびりポタリング。近くの公園で水道をかりる。もっていたタオルで自転車の車体を拭いてやる。海が近いので風、雨水の塩分をバカにできない。クロモリボディを拭いてやる。あんまりクリーニングしてやっていなかったので申し訳ない気持ちになる。カセットとチェーンもクリーニングしてやらないとな。のんびりとポタリングを続ける。百メートル超の低山をゆるゆる登る。荒れた路面、洗い越し、渓流、木々、虫の声、鳥の声、坂の上から吹き下ろす風。完璧なコンディションの林道。ローギアにいれてゆっくりゆっくり心臓に負荷をかけて苦痛と外界のコントラストを楽しむ。苦痛になればなるほど世界は灰色になる。心拍数がさがると世界は作り物のように鮮やかさを取り戻す。負荷をかけたり減らしたり世界のグラデーションを楽しむ。頂上でペダルをとめて音を聞く。オレはもっと高いところにいきたい。
その足でタンブルウィードにいく。キモサベの目をみながらコーヒーを飲みたい。女将さんが対応してくれる。いつも陽気な女将さんには助けてもらえる。あいているのでレッスンも勧められる。それはそうだけど。断れない、というより結局、乗ってみたい誘惑に負ける。今日は厩舎員のお姉さんも一緒にのる。お姉さんにどのぐらい乗ってるんですかと聞くと、わからないですけど千鞍以上は。小さい時から乗っていて乗馬歴は十年以上とのこと。あわわあわわ。ゴルゴ先生からはいつもビシバシ指示が飛んでいるので学ぶことが多い段階かとおもったら上級者である。これからは姉さんではなく姐さんとよばなくては、あわわあわわ。乗る前にキモサベのお手入れ。お前、泥だらけじゃねーか。ゴルゴ先生がみてるよ、みてーるよー、ぎゃー、こえー。ゴルゴ先生が椅子に座ってタバコをくゆらせながらオレのお手入れが指導したとおりかどうかを見ている。こえー。自然と丁寧になってしまい、時間のかかることかかること。心臓ばくばく。キモサベは時間がかかるから退屈でオレに尻尾攻撃してくる。でも尻尾攻撃は楽しい。鞍をつけて頭絡をつけかえる。今日も馬の上で立つ練習。鐙に力をかけるためには重心を落とさないといけない。それができないので上体を反らしてバランスを取ろうとする。結果、歩行の振動に対応できない。悪循環。重心を落とす、丹田あたりでコントロール、かかとを落とす。むわーうまくいかない。キモサベはオレしーらない、って感じで走っているが気持ちよさそうではない。むぐぐ。終盤にちょっとだけ感覚をつかんでくるがおおきな進歩はなし。ちなみに姐さんはゴルゴ先生から漫然と乗っててもダメって指導が飛んでいました。乗馬後はお手入れ。身体をふく。蹄のお手入れ。前肢、後肢。ベテランなので自然を脚を上げてくれる。脚を洗ってあげる。ゴルゴ先生がみてるよ。だるまさんより怖い。丹念にやった結果、これを早くできるようになりましょう、ということだった。ゴシゴシした身体的汗と超強烈な視線ダメージの汗で身体はぐっしょりへとへと。キモサベが慰めてくれる。まあわかるよゴルゴ先生は強い。せやろな、お前んとこのボスやしな。

家にかえると、風呂にはいってアイスをたべてぼーっとする。一ヶ月分の視線を浴びた。今日はゆっくりしたい。熱燗と松前漬けで気分をほぐす。安心してテンションが上がってくる。自己がおしまいになると今度は酒量がコントロールできない。
歯を食いしばり薬を飲んで寝る。

7月1日(水)

眠い、起きられない。スマホのアラームのスヌーズを繰り返す。覚醒する理由がない世界では睡魔の感覚を越えられない。世界に生きる理由などない、ただ棲んでいるだけ、だから死にたいとは思わないけど消えたいと思うのは正しい認識だと思う。生きるか死ぬか、それは、この場所でどのように棲まいたいかという結果に過ぎない。一時間スヌーズと格闘する。radikoをつけて無理矢理世界と同期する。オレの傲慢な規範においては不快なニュースばかり。やっと目ざめる気力がでる。
朝の儀式を一通り終わらせる。意識は覚醒する。生理学的な睡眠時間は足りているらしい。スムースな
目覚めには世界への期待感というパラメータが影響していそうだ。仕事が始まる前にハイパーマートに食品の買い出しにいく。我文町は朝にスーパーを利用するライフスタイル勢が多い地域のようだ。全部の視線を避ける。スパイ映画さながらである。スーパーでマトリックスの例のあれをやっている人間をみつけても通報はやめてほしい。リッター五百円の日本酒とリッター四百円の白ワインを買う。アル中まっしぐら。風呂上がりのアイスもなくなっていたのでホームランバーを箱買いする。ホームランバー好き。会計ではレジ袋の購入をお願いする。中、大で値段がちがうが、中をお願いする。新型コロナウイルスを考慮せざるをえない生活で買い物袋なんて非合理的である。さらにいうと、家のこみ箱には買い物袋でまとめやすいようにしているが、その買い物袋の在庫がなくなってきた。amazon でレジ袋を買おうものなら一枚三円からする。圧倒的に、レジ袋を購入する方が合理的である。ペットボトルキャップの回収と似ている。人は「何故?」からはじめるべきだ。限りある資源だからなのか? マイクロプラスチック問題からなのか? なんとなくエコだからやるわけじゃない。むしろ「袋いらないです」がいまの現状に即していえば合理的だとすら思っている。
家に帰り、冷蔵庫に食品を冷蔵庫にしまう。冷凍庫が爆発寸前。先日冷凍庫を捕球したのをわすれていた。ホームランバーが入らない。しかない、箱をすててついでに一本たべてしまおう。おいしい。ホームランバー好き。スイカバーも待ってるよ。快適なレトルト生活を追求しているので冷凍庫と冷蔵庫の容量が逆になってほしい。
洗濯物の取り込み、収納、ベランダの羽虫の死骸たちを掃除したりすると勤務開始時間。Slack の未読を消化しながらなにも感じない。高度にテクニカルな問題を高度なスキルをもって倒している。そのプロセスはわからない。読み物として面白くないチャンネルは正しく保守、運用できないというのがオレの持論だ。面白くもないことはチャットではなくてリアルタイムでやっつければいい。オレが前日に「グループ」として働けなかったことを嘆くポエムを投稿していると RMI チームの瀧山と栞がモブワークに遊びに来なよと誘ってくれている。あーあ。オレは悲しい。まったく無意味で築き上げたものを捨てるとしても、人間関係をリセットするクセはぬけない。そのきっかけになるのがそういう言葉。末期の十四歳児が拗ねているという笑えない状況にみえるでしょう。そうじゃないと本人はいうが、外部からはそう理解するのが全くもって正しい。そのメッセージをみたときのオレは純粋な状況はパニックに陥って、解釈はいまだできない。とりあえず、近づけないという結果が先にある。さようなら瀧山、栞。RMI チームを引き続き良いチームに引き上げていって欲しい。
オレは当面のチーム活動を諦め、グループ活動を諦める。「はーい、二人組つくってー」、あやがいう。オレは苦虫をかみつぶしたようにあやと二人組をつくる。グループであることすらあまり意味がないスラクムのデイリースタンドアップが終わる。オレはあやと一緒にディスプレイを睨む。あやが肩をおしつけてなれなれしい。ゲームしてるんじゃないんだからちょいはなれろ。基本的に憎たらしい。ローカル開発環境は javak8s で動いている。k8s の環境がつくれないこと作れないこと。休職期間にやっていなかった OS のアップグレードや各種ライブラリを更新したらプロビジョニングに失敗する。Docker がどうかしちゃんたんだろうね。Dockerがどうかしちゃった理由を午前中しらべる。ググるとなんでもでてくる。あやがなんでもかんでも手当たり次第に調べてくれる。Slack のローカル開発環境のサポートチャンネルですごい人たちがサポートしてくれる。すごい人たちって忙しいにのどうでもいいエンジニアのサポートしてくれるのすごいよね。デイリースタンドアップの人はまったく無関心だしやっぱりまずいアジャイルになっている。もうコード書かなくていいからアジャイルコーチをやらしてくれ。
さらに障害が発生する。アイソレーションタンクの利用統計のダウンロード機能に障害が発生しているとのこと。障害チャットですごい画像なり文字がながれてくる。インフラチームは最強のチームプレイを達成している部署だ。だけど、あえてビデオ通話で作業同期しないしなり理由あるのだろうか。オレがどこかのライブでモブ障害対応してますか? と問いかけるが誰も応答はない。笹野マネージャーが見かねてないならわたしが部屋を作りますねというとみんな入ってくる。あー、オレはこれで今日仕事した。障害というとくに不確定要素が最強の場合リアルタイムでの情報の共有が有効である。「問題ないかも知れないけどこれなに?」というつぶやきはチャットに投稿しにくいし流れてしまう。でもほかの知識をもっていれば解決の手がかりになるかもしれない。障害が復旧するとオレはもとの作業に戻る。
あやが作業をリードしてくれる。構成管理ツールのコードを雰囲気で読めるようにしろ、エラー位置を明確にせよ、あとはエラー発生してんを特定して原因をさぐる。的確だけど、目覚めと同じく気が重い。希望がない。あやは一人で生きていくためには必要だ、と有無を言わせない。でもいざコードを読むために知識を吸収すると面白くなってくるしデバッグできるようになるとノリノリになってくる。エラー箇所を特定してむりやりパスさせる。すると構造でもエラーになる。あー、これツールが最新バージョンになっているのではないか、とあやと相談する。ツールのバージョンを落とすと見事に開発環境の構築が完了する。開発環境の構築手順書の更新をしないといけないね、とあやがいう。お前は神か。まあ、あやのいうことが正しい。わかった、でも明日でいいよね、オレはもう疲れた。

仕事をあがると強烈な睡魔が襲ってくる。運動しないと。部屋の掃除しないと……諦めて布団に横になる。目を覚ますと夜の九時。やっちまったなあ今日寝れるかな……まあ執筆作業でもしておこう。
ぼんやりしている。白ワインを炭酸水で割った酒を貧乏シャンパンとよんで最近愛飲している。今日も貧乏シャンパン片手に執筆。内的な自己が上がってこない。仕事が抜けきらない。あー、明日はエクリプスの打ち合わせもある。準備も不完全。でも一人で詰めるのはあそこまででいいだろう。

ああ、今日朝の薬のんでないや。抗うつ剤と安定剤と眠剤をまとめて酒で流し込む。眠気はまだだが寝たい。

6月30日(火)

目覚めと同時に身体チェックをする。ロングライドの影響がでるなら二日後ぐらい、だが足に筋肉痛はない。眠気に覆われているが倦怠感はない。お酒も少ししか残っていない。今日は、朝一にタンブルウィードで乗馬。仕事前に乗馬なんて素敵やん、などど思っているがさっさと身支度しなければ遅刻しそうだ。でも、オレは朝風呂を良き習慣としてなんとして維持すると心に決める。
朝のルーチンワークをこなす。皿洗いが大嫌いだから最初にやる。それが片付くとすごく心が軽くなり相対的に楽しくなる。お風呂もざっとはいる。脱衣所の時計をみて焦る。部屋に戻ると五分もどっている。相対性理論でも時間は戻らないはずだ。過去には行けない。だとすれば、脱衣所の時計がずれていたのだ。
自転車を駆っていそいでタンブルウィードに行く。時間ぴったり。厩舎ではお掃除をしているお姉さんがいる。距離は三〇メートルほどあるか。視線は交わせない。今のうちに言葉だけ交わす。おはようございますとあいさつするとお姉さんもしゃっきとした声で返してくれる。ちょっとだけ他者が起動した。よしあとは受付でしっかり視線を交わしたあいさつ。受付にいくと女将さんがばたばたとしてる。すると、今日予約じゃなくて別の日でしたよね、というが口頭で約束しただけなので不安になってしまう。そして予約の真実は興味がない、今日が無理ならそれでよい。女将さんはばたばたしている、女縄市にでかける用事があるとのこと。今日きっと大丈夫だから、といって出かけてしまう。あの、ゴルゴ先生はいいと悪いとも言ってなかったと思いますが、本当に大丈夫なんでしょうか。不安になった。それにあまり遅くなるようなら仕事に遅刻してしまうし、なしならなしが良かったんですが。でも、まあ、遅刻してもいいか。無遅刻無欠席無早退みたいない記録はさっさとなくなればいい。遅刻したところで誰もなんともおもってない。目標設定のふりかえりで、業務規則を遵守しましたか、という項目に満点をつけることにどんな意味があるというのだ。ポニーさんと戯れながら待つ。顔の中心を避けて、必ずどちらかの側面で馬に見えるように立ち振る舞う。お互いきちんと注意しながら距離を詰めることができる。オレにとっては人間でも正対せずに視線を自然にそらしやすい位置にポジションをとることにしよう。五分と待たずにゴルゴ先生がでてくる。朝からの先生のまなざしはきつい。眼光か強すぎる。目と自意識が灼けそうになる。
キモサベを厩舎から洗い場につれていく。今日のキモサベは泥がおおい。雨の日が多かったのでしかたないか。今日は乗馬後のお手入れの講習。キモサベの無口頭絡は小花柄でかわいい。かわいい男の娘。蹄を鉄扉で洗う。お手本を前足でみせてもらう。残りの三本をやる。ゴルゴ先生は座ってタバコをくゆらせながらオレの作業をじっとみまもる。キモサベに踏まれないように自分の足の位置を注意する、馬の反応をみて加減する、などの指導をうけるが、ゴルゴ先生の無言の視線がすごすぎて動悸がおさまらない。見つめられるだけで暗殺されそうだ。ぜいぜい。馬は手をあてるだけで足をあげてくれるのであんまりぐいぐいしなくてもよし、とのアドバイスもうける。どうしてもダメなときだけ肩でおしてあげるとよい。なるほど、宿題しろといわれるとやりたくなくなるしね、そろそろ宿題しようか、ぐらいの提案の方が落ち着いた関係性を築ける。次は足を水で洗う。これがとても大事だそうだ。球節、人間で言うところの足首らへんは汚れがたまりやすく、そこが汚れたままになると炎症を起こすことがあり最悪に場合歩行困難になるらしい。それは恐ろしい、しっかり学ばねば。毛の奥までしっかり洗う、窪みがあるのでしっかり洗う、そしてきっちりふきとってあげる。これがやってみるとなかなか難しい。毛は密集していてけっこう固い。指をたててほりほりしていくとやっと毛元までたどりつく。そのなかで足踏まれ注意、鼻面攻撃注意、後ろ足注意、さらにはゴルゴ先生のミスを見逃さないプロの視線とオレの自閉。どんどん自閉したくなるよ。洗う球節の部分の形状が複雑なので油断すると洗い残しがでる。緊張でぼんやりしてしまったが、四分割しながらやるとか、シンプルに作業したほうがよさそうだ。分割統治法は作業効率の基本となる。最後の四本目の後ろ足。屈んでがっつり洗ってあげるのだが、キモサベの尻尾攻撃がすごい。尻尾をお手入れしてあげたので毛先がそろって威力が増している。痛い、キモサベ、痛いよ、やめて。そういうプレイかな。キモサベはかわいいです。お尻のお肉がしゅっとしててセクシー。憧れる。ちがうちがう。そういうことではなくて、尻尾攻撃すごい。温度、湿度がハエたちにはちょうどよいらしく量がすごいことすごいこと。人間には臭いは感じないし、厩舎なんていつきてもお姉さんが猫車で何往復もしてて何の匂いもしないから。田舎の豚舎みたいものとはまったく違う。でもハエは馬だってわかるのだから、比較的シンプルな昆虫がそういう能力をもっていることに興味もある。そんなことをおもっていると尻尾でメガネを絡めとられてぎゃーメガネがふっとんでいってしまう。やめろよおお。見かねたゴルゴ先生がアースジェットプロをとりあげるとキモサベに噴射。一網打尽。その発想はなかった。基本はハーブ水で追い払うみたいだが、最後はアースジェットプロが登場する。まさに科学万能の時代ですね。お手入れの講習がおわるとキモサベは眠そうな顔をしている。まあ嫌じゃなかったならよし。最後は厩舎にしまう。なんだー今日はのらないんかーいっていうキモサベの抗議はない。いやあ、キモサベのお手入れ面白かった。やはり相互作用である。マニュアルではなくオレの所作とその相手の(ゴルゴ先生を含めた)反応、それがオレの次の所作を分岐させる、すべてが取り返しのつかない一回性の繰り返し。失敗しても萎縮するまでには怒られないし、キモサベもベテランらしくよっぽどでない限りオレを見守っていてくれる。うーん、なんともいえないんだが、感慨深い。ゴルゴ先生に別れのあいさつをして帰る。厩舎のキモサベがオレをみながらおやつがないことをがっかりしている、ように見える。今日は乗ってないしお手入れしたんだからいいじゃないか。オレは自転車にまたがる。あやも自転車の荷台に座り、ぼそっと耳元でささやく。「ねえ、37.8℃なんだって。馬の平均体温。摂氏37.8℃」だからどうした、お前は冷血動物だろうが。

仕事を開始する。デイリースタンドアップはぼんやりした感じ、目的がない。個別のタスクをただ報告するデイリーは失敗の兆候だ。誰も困っている人はいない。つまりこのメンバーたちに困っていると伝える動機がなく、あるいは心理的安全性もない。デイリーやめたらいいのに。ムダな時間。さらに笹野マネージャーはオレのことをデバフ状態の使えない戦力とぐらいしか思っていない。まあ、オレが先に引き金をひいたのだから文句をいうオレが間違っている。オレがやりたいようにやればしいし、困っているなら助けてくれそうな人に自分で声をかけろ、とのことだ。ここになって心がすさんであまりにも本音で話しすぎた自分の失敗に気づく。自業自得だがオレのこの会社でのキャリア終了のお知らせのラッパが聞こえる。どうでもいい仕事に一日の仕事を費やす。チャットに大量のメッセージを上げてあーだーこーだと困りましたと自分で助けを求めにいったが解決しない。優しいエンジニアがあーじゃない、こーじゃないと応答してくれるが、それでもだめ。しかし優しいエンジニアっていつもきまっていて、そしてその人たちは評価されていたりされていなかったりする。不確定なものにたいして仮説、試論を展開できて、それが間違っていても発言できる人をオレはすごいと思う。結局問題は解決できなかったがサポートしてくれたエンジニアにお礼のメッセージをなげて今日の作業を終了する。

頭を切り替える練習。OSをシャットダウンし、モバイルで Slack からログアウトする。その状態でステータスチェックする。頭の中は仕事の問題解決方法を探るためにぐるぐるしている。どうでも良い問題だ。オレなんて仕事の役にたたない。解決したからどうだ? ふられたタスクをこなせるからどうだ? チームで働けないならオレ的には成長はない。ただしお給料分の仕事をしないといけない。ただそれだけ。義理人情もタダではない。スイッチが切れない。頭でも壁に打ち付けて制御可能な感覚情報で思考を止められるといいのだけど、それをやると病気にカテゴライズされまたもとの休職にもどってしまう。まあ自分を殴るのがよかろう。オレは自転車でお出かけする。女縄市まで冷凍食品の買い出しに行こう。感覚が鈍い、視覚から入る色が淡く鈍い、聞こえない、風を感じない、心拍を感じない。ちょっと深刻である。感覚をおいてけぼりにした身体にやどる理性は悟性に精査を依頼し悟性は理性に問題なしの応答を返す。それの無限ループ。思考のショートとはこういう事態なのかもしれない。感覚値を強制的にあげて感覚と悟性のなかの狭窄を強制的に押し流す。具体的には坂でペダルを踏みまくればいい。十四歳末期には心拍一九〇はいけない。でも死ぬよりもひどいことはある。感覚と悟性の梗塞。ペダルを踏んだら良い。自律的に汗がでる、心臓が鼓動する、呼吸が荒くなる、呼吸音を耳が感知する、汗が流れ皮膚表面の感覚を起動する、ペダルを踏むのをやめよ、と命令する声がする。薄い感覚を総動員するとその越えに反抗できる。オレはペダルを踏み続ける。

家にかえるがやはり感覚は薄い。しかし仕事は追い払うことができた。一勝一敗の五分というところか。風呂に入り、冷やし中華をたべる。野菜を切らしている。ささみ肉、ゆで卵のタンパク質添え冷やし中華。運動したあとには、それはそれでやり。ささみ肉をルクエにつっこんでレンジで加熱する食べ方が超らくちん。でもやっぱり冷やし中華は野菜欲しいです。
食後はお酒を飲みながら執筆作業。オレはいい加減、日記に二時間も時間をとっている場合ではない。書くのを減らすか辞めるか、他の時間を見直すか。

薬を飲んで寝る。

6月29日(月)

目覚ましのアラームがなる。途中なんどか覚醒した気もするがきっちり時間まで睡眠をとれた。スヌーズを連打する。軽く目をつぶる。次のアラームが鳴る前に起きる。オレはオレの意思をどうやっても試したい。オレが思っているように起き、眠りたい。アラームに起こされたなどあってはならない。
ベランダのサッシを全開にする。白く煙っている。天気予報は曇り。これが雨なのか霧なのかわからない。我文町全体を覆う靄。これが徐々に濃くなっていくと、世界は異界化して裏世界が顔を見せる。我文町はそういうことがあっても不思議ではない。
朝の儀式をこなす。頭の中は仕事に押し込まれる。まだ先のことを考え始めている。冗談じゃない。脳の中をフラッシュする。Zwiftで三十分のワークアウト。一番負荷の低いワークアウトを選ぶ。序盤で限界を感じて負荷を90%に落とす。それでも限界。二十分で中断終了。汗が滝のようにながれる。当然だがFTPを下方修正しないといけない。認めたくないものだ。二五〇ワットを割っていそう。怠ける、体力が落ちる、この因果関係は自然なことだ。オレがそれをきちんと知り正しくワークアウトすることで効率はあがる。知っていても今のFTPは見たくない。そういえば最近体重計にものってない。なぜだろう。あやはにやにや笑う。突然現れてびっくりさせないでくれ。十四歳の末期だからか。十二歳だったころ、世界と自分を壊して、十四歳になるまでに再構築してしまった。壊す勇気がない、壊すことができなければ時間は進まない。壊す方法がわからない。時間も進まずに下方修正することは、この幻想世界を不完全なものにする。オレぐらいはオレがはっきりと大嫌いと明言してやれるこの世界は絶対に守らないといけない。あやはサムアップしながらオレをダメ人間と罵ってくれる。

汗がじわじわと染み出てくるぐらいにクールダウンが終わっていない状態のまま勤務開始。Slack のメッセージを見る。雑談をチャンネルを見る。みんな楽しそう、オレはそこには加われない。多種多様な話題が流れてくるし、知っている事に関してはオタクくずれっぽくメッセージ投稿することはできるけどメッセージの先に人がいるのを想像できない。ボットか人か区別できないほど優秀なボットがいる、たぶん人よりも豊富な知識で話題を展開できるボットだ、でもそんなボットと会話したくない。オレがメッセージを投稿したいと思わないのは、たぶん、そういうことに近い。
業務のチャットをながめてぼんやりする。オレが休職した直後に笹野マネージャーがRMI チームとミーティングしている議事録を見つける。期待してみてみる。オレが休職してチームメンバーがへったが今後のことについてのラフな意見交換。議事録には笹野マネージャーの発言ばっかりだった。ベテランの栞、瀧山の意見もない。今の人員で困らないという意味は行間に読み取れる。気持ちの部分が少しでも知りたかったのでその部分は残念。
お昼は冷食を温めて食べる。食後は風呂にはいってリフレッシュ。仕事のことを頭のなかから追い出す時間を増やす練習。
午後はオレが休職していた間のソースコード差分を確認する。大量のプルリクエストがある。ワクワクする。どれだけ課題が解決しているのか。チャレンジしているのか。メンバーが成長したのか。プルリクエストを追えば多くの情報が得られる。プルリクエストとはなにか、については個々人にズレがあるのが面白い。チーム単位でやり方が一緒ですらない。個々人ごと。多様性ともいえるし、理解のオーバーヘッドともいえる。デザインパターンを思考停止という人もいれば、経験をもとに生まれた形式であり設計に関する理解を加速させるものだと言う人もいる。これは寝殿造りですね、マニエリスム建築ですね、と語るのは楽だ。どちらが価値があるとは言えない。それはチームが決めることだ。ただ、現在のプログラミング言語パラダイムにおいては抽象化が必須なのだ。これは言語の問題であり抽象化が必須だとは思わない。

頭が仕事に占領される。汚染される。怪我されている。あやの服はボロボロになってところどころ肌が露出している。頭から追い出すのだ、やつらを。自転車にのる。女縄市方面にこぎ出す。町は薄い靄に包まれている。これから先の山の頂上部分は隠れている。路面はウェット。気温はそれほど高くないがなんといっても湿度が高い。汗が乾かずジャージがぬれぬれ。登坂区間に入る。勾配はゆるい。最高地点は二〇〇メートル弱。多くの山道は頂上付近の勾配がきつい。勾配一〇%を越えてくる。踏む。頭から追い出す。踏む。感覚で理性を追い出す。家にかえる。
頭のなかに仕事が残っている。あとは酒しかないか。ハイパーマートにでかける。半額のお惣菜を買いあさる。家にかえると風呂にはいる。誰もいない。大浴場に一人。無音。追い出す、やつを。座禅を組んでみるが相対的に仕事の雑音が増すだけだ。この頭を誰かぶっ壊してくれ。
風呂から出ると洗濯物を干す。あとは寝るだけにする。お刺身をあてに日本酒を飲む。酔いがまわらない。あやを呼んでくると執筆作業の校正をお願いする。拒否されたので、執筆作業をする。執筆作業はあべこべで支離滅裂、頭の三分の一ほどに仕事がこびりついて離れないから、焦点がいったりきたり。これでは社会不適合者である。執筆をあきらめる。どうか意識よ、飛んでいってくれ。

薬をお酒で流し込む。眠気がくるまでまんじりともせず、苦悶。