kowさんは天ざる大好き

創作に絶望すると、世界が反転した日記

6月12日(金)

六時にいちど目覚める。頭の中に流体金属が詰まっている。また熟睡感ゼロ。気を失うまで呑み続けた気がするが、二日酔いの症状はない。こき使った肝臓は死にかけている。お酒をこんなに早く分解できるわけがない。たぶん身体のどこかがぶっ壊れている。二度寝する。八時。目を開ける。眠い。だけど寝られない。眠気とは別に脳のどこかのスイッチがずっとオンになったままになっている。諦めて起きる。あやが取り憑くような倦怠感はない。お酒を多少飲み過ぎたあとのけだるさのみ。なぜかオレは不満。

朝の儀式をすませる。アイスコーヒーを淹れる。ライフログの睡眠をみると五時までは浅い睡眠。二度寝をすると深い睡眠になっている。深い睡眠は一時間とちょっとだけ。お酒を飲めば睡眠の質も悪くなろう。外を見ながらコーヒーを飲む。なんでもない。つらくもない。悲しくもない。焦燥感もない。希望もない。いままでにない不思議にフラットな朝。死んだことに気づいていない地縛霊がいるとすれば、こういう気持ちかもしれない。
そういえば印象的な夢を見た。いつもは夢を思い出せないのだけど、一ヶ月に数度程度思い出す事がある。暗くて薄汚れていてさび付いたドアが続いている長い廊下、オレはその先に自室があることをしっているよう。進んでいくうちに右腕がもげる。痛みはない。そして右足ももげる。痛みはない。這いつくばって自室に向かう。そこに到着すればなにか問題は解決すると思っているようだった。ゆっくり這いつくばって廊下をすすむけど、廊下は延々と続いていてこのままだと老いて死ぬ、ということがわかった。それがいままでに感じたことのない種類の感情を植え付ける。恐怖で目を覚ました。
あやの罠かなにかと思ったが深く考えない。夢の中の感情は味方な気がした。すくなくともオレは自分の名前が入った本を早く書いて国会図書館に納本したほうがよい。どうやら長く生きられそうにはない。