kowさんは天ざる大好き

創作に絶望すると、世界が反転した日記

7月31日(金)

アラーム止める。身体の鉛化がはじまっている。これは疲労ではなくてうつ性のけだるさである。ずりずりとベッドから這い出す。出てしまえば起きられる。一度膝立ちになってため息をつく。あやが手を差し伸べてくれる。手を取って立ち上がる。でもよくよく考えると気持ち悪い。すぐにさっと手を離す。朝の儀式をすべてやる気力はない。いいぞ、良い感じに悪化してる。良いパターンが崩れてきたら対処が必要だ。ベランダにでて身体を垂直に据え置く。ぼーっとする。蝉の声がする。夏っぽい。夏っぽいと思うとほんのりと十歳のころを思い出す。臭い。草の臭い。雨の降ったアスファルト臭い。カブトムシとスイカの臭い。へんな感じ。たぶん、死にたい。

仕事を開始する。しょうもないドキュメント作業。死にたい。なぜオレがこれをしているのだろうか。はっ、しまったオレは仕事の意義を考えて疲弊して失敗しているじゃないか。仕事はお金の為だ。プロダクトオーナーが主催するユーザーストーリーマッピングのミーティングにファシリテートの支援として参加する。沓掛さんが沢尻エリカっぽい発言ぱっかり。拗ねるのはよしなさいよ拗ねるのは、大人なんだから。「『別に』っていうことは理解できないところはないって意味と認識よいですか」と質問するがオレもイライラしてもはや攻撃的になっていた。オレにこんな馬鹿げた質問をさせないでくれ。口論になり、メンバーが間にはいってくれる。しっかりしたスキルももっていて、自分の中では思っていることがある。それと違うと話には否定的な態度だけとって議論に参加しないのはずるい。オレはそこまで支援しにゃならんのか……そのレベルの支援は想定しないんだ。
午後はSpotify大規模アジャイル開発手法について個人的な情報収集をする。面白い取り組みであるが、アジャイルが人間的課題を克服しつつある状態が前提となる、ということを忘れているとその論理的整合性にとらわれていかにも失敗しそうでもある。アジャイルで価値が最大化できてない、という本質的なレベルな問題にフォーカスして議論できていることがかなりの高難易度だ。人はコンピューターのように動かない。アジャイルはその困難さに立ち向かうところから始まる。すくなくともオレの組織では適用できるような組織モデルではない。将来的な目標に据えるのは良いが、死ぬほどステップを踏まないといけない。そのステップを踏んでくれるエンジニアがいるのか、ゴールに到達するまえに辞めちゃいそうな人ばっかりだけどなあ。やらないともっとすぐ辞めるかもしれないから、なんにせよ、やったらいいのか。そうかそうか。価値を届けたいだけなのに、なんだよこの迂遠さは。

疲れがピーク。早めに退勤する。肉体的な疲れはほとんどないはずだ。女縄市までサイクリング。山を越えて海へ。サボっているし、あまり食欲もないのもあって、エネルギー不足を感じる。へとへと、汗だく。防潮堤の上で大の字になって休む。海辺には海水浴を楽しむ外国人家族がはしゃいでいる。ほんとうに楽しそう。英語でなにをいっているかはわからないけど、ちょーエキサイティングみたいな感じ。海と空をながめているとその声もいいものに感じる。リア充ばくはつしろとも思わない。海は人の心に余裕を与えてくるかもしれない。ただ自転車でヘトヘトになっているだけかもしれない。けだるさは残っている、でもなにか厄のようなものが祓われた感じがする。海で夕陽をながめる。釣り人が大物かかったっぽいのをじーっとみながら、アイコンタクトかわす。いける、いけるよ! 結局ばらしてしまって、オレもがっかりする。釣り人もしゃかりきじゃない。のんびりとまた釣り糸をたらす。いいなあ。

家に帰る。汗だく。風呂にはいって汗を流す。すっかり日が暮れる。食欲がない。頭の中でメニューをならべてなにか食べたいものがないか検索する。ラーメンを想像すると食指が動く。汗をかいたからだろう。濃い濃い味のラーメンがたべたい。インスタントラーメンに冷凍ブロッコリーをがんがんつっこむ。湯量をすくなくして濃い味で楽しむ。冷凍ブロッコリーは優秀な冷凍食材だ。ラーメンにもあう。
食後、ナニもするきがしない。執筆もしたくない。したくない。でもスティーブン・キングがいっていただろう、毎日十五分はペンをとれ、たとえ書けなくても。習慣というのは継続的な動力源として必要不可欠。よく分かっている。分かっている。でも、今日は無理。でも、執筆作業をする。

肩甲骨ががちがち。薬を飲んで寝る。