kowさんは天ざる大好き

創作に絶望すると、世界が反転した日記

7月4日(土)

粘土の身体になったみたいに布団の上に寝転がる。朝を越えて昼、そのぐらいだろうか。身体が起きない。宅配便ですという声が聞こえて、寝ぼけまなこで這い出し玄関を開ける。お隣の玄関の前にいる配達員と目があう。そういえばチャイムがなってないや。赤面してしまう。急激に内的環境が変化したためにパニックになる。そっと扉をしめて布団にダイブして、脚をばたばたして何が起こったかを忘れる。本来内的世界では起こりえないことが起こってしまったので脚をバタバタさせてなかったことにする。とても難しいテクニックである。もういやだ。身体が重い。腹が減った。仕事もないし、予定もない。意識を飛ばしたい、寝たい。二度寝する。

目覚める。身体を起こす。二十一時ごろになっている。四度寝か、五度寝ですっかり夜。頭痛がする。目の奥が重い。頭のなかに流体金属が詰まっている。ため息をつく。胸が苦しい。おかしい。目をつむると夢をみていたことを思い出す。空港の長いコンコースを一緒に歩いている。とても親しい女性だが誰だか思い出せない。最後に握手をする。ハグしようとしたが相手に嫌がられると思い諦める。良くわからないがこれが永遠の別離だと知っている。オレは泣き出しそうになるが女性は少し微笑むだけ。大人びた女性、顔が思い出せない。
夢の契機はなんなのだろう。考えないようにはしているが仕事への失望感は大きい。働き慣れたチームを離れるのは怖いのかもしれない。うつがなくなっていくのを怖がっているのか。環境の変化はオレのパーソナリティ上好ましいことではない。まあいい、夢の中のオレは人間的だったしそういう感情がこの世界でも起こって欲しい。笑えもできないし泣きもできないし、嘲笑だけがあふれた世界。全員、AIかボットで置き換えられる人たち。もううんざり。